Garbage Collection


2006-05-18

§ なんだかずいぶん間があいちゃいましたね。

§ **[clip] Site in Northern Chile Selected for Large Synoptic Survey Telescope(SpaceRef)

口径8.4m(すばる望遠鏡とほぼ同じサイズ)のサーベイ専用望遠鏡がチリに建設されることが決まった、というお話。この望遠鏡なんと3.5度も視野がある。現行の口径8m級の巨大望遠鏡の中でも広視野を誇るすばる望遠鏡でさえ0.5度しかないから、いかに視野が広いか分かるというもの。データの読み出し速度や処理速度もかなり高性能で、とにかく広い領域をばんばん撮影して山のようなデータを取って解析する、ということに特化した望遠鏡という感じ。どうやら全天を3日でスキャンする能力を持たせるらしい。すごい!

サーベイ観測というのは、ある天体にターゲットを絞って観測するんじゃなくて、空のある領域をスキャンして特徴ある天体を探すための観測のこと。ガンマ線バーストを探したり、カイパーベルト天体を探したりする時はこういう観測をするんだけど、口径が大きければそれだけ沢山の光を集められるから、小さな望遠鏡と同じ領域を観測するのにかかる時間が格段に短くなる。サーベイ観測はどれだけ広い領域をカバーできるかが勝負だから、この速さはすごく重要なのだ。

この圧倒的な量の差はきっと何か新しい知見をもたらしてくれるはず。楽しみだなあ。ファーストライトは2012年の予定。

cf)The Large Synoptic Survey Telescope (LSST) ※公式サイト