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2005-10-03

§ ISSの規模縮小案

日本実験棟は打ち上げ NASAが見直し案提示(Yahoo)

NASAがISSの規模縮小案を発表、というお話。シャトルの打上げ回数を最大18回に縮小。その上で、国際協力によって建造する部分を優先して作る、ということらしい。日本のモジュール「きぼう」は打ち上げられるが、日本が「きぼう」を打ち上げてもらうかわりに作っている米国モジュール「セントリフュージ」は打ち上げられない。加えて、ロシアの電力モジュールの打ち上げも中止されるようです。ただし、ハッブルへのサービスミッションは行うとのこと。

せっかく作ったのに、セントリフュージは無駄かよ!とか、おいおい、あのスピーチはなんだったんだよ!とか、わーい、ハッブルは直るんだ!という感想は横においておいて、頭を冷やして少し考えて見ましょう。

この発表で「国際的な義理は果たすが、それ以上の役割はISSには期待しない」というNASAの方針が改めてはっきりしたと言えるかもしれません。先のスピーチでは「国際的な関係はないがしろにできない」と述べていましたが、ふたを開けてみたら、「それ以上のことはしませんよ」ということだった、という感じでしょうか。

一番気になるのは、「きぼう」を打ち上げる代わりに開発していたセントリフュージが中止になったことで、その開発費用がどうなるのかということです。日本の立場から見れば、きぼうは予定どうり無償で打上げるのが筋ということになると思いますが、何らかの追加負担を要求してこないとは限りません。良くも悪くも「きぼう」は今後10年の日本の有人宇宙飛行の要ですから、簡単にその要求を突っぱねるのは難しいでしょうね。

もう一つ気になるのは、「ロシアの電力モジュールを打ち上げない」という発表です。これは実験施設にとってはかなり重大な変更といえるでしょう。これはつまりISSは当初予定していたスペックどおりの電力を生み出すことができないということを意味します。この変更が「きぼう」モジュールをはじめとする各実験モジュールの性能にどれくらい影響を及ぼすのか、ちょっと不安が残ります。

いまのところ、JAXA、文部科学省、NASAのいずれのWebサイトにも本件に関するリリースはアップされていません。具体的な内容が発表されればもう少し見えてくるかもしれませんね。