2008-02-06
§ *[sts122] Space Shuttle Atlantis STS-122打ち上げ
燃料枯渇センサー(ECO Senser)の不具合により打ち上げが延期されていたSTS-122 アトランティスの打ち上げですが、センサーの修理も終わり、打ち上げの準備が最終段階に入っています。~
打ち上げは、現地時間7日14時45分、日本時間8日4時45分の予定です。
というわけで、打ち上げのカウントダウンと、URLのまとめページをアップしました。~
ref.STS-122 Atrantis Mission Timeline : Launch~
ref. STS-122打ち上げ関連URL
センサーの不具合については、データを送る回路の一部でソケットとピンの間に隙間が空いてしまったのが原因、とのこと。燃料の充填で材料が伸び縮みすることによって起きたために製造段階では分からなかったようです。すでに「不具合部分をはんだ付けする」という対策が取られているとのこと。
(追記 : 2008.02.07)~
どうやら、ケネディ宇宙センターに前線が近づいていて天候が芳しくないようです。打ち上げの可能性は30%とのこと。
§ *NASAが2009年度の予算案を発表
ref. NASA - Budget Documents, Strategic Plans and Performance Reports
いつものように表にまとめてみましょう。単位は100万ドル。太字が今回要求額、カッコは未確定の数字です。
FY | 要求 | 承認 | 伸び率(要求) | 伸び率(実際) |
2006 | - | 16273.0 | - | - |
2007 | 16792.3 | 16215.3 | 3.19% | -0.36% |
2008 | 17309.4 | (17309.4) | 3.08% | (6.32%) |
2009 | 17614.2 | - | 1.76% | - |
2010 | (18026.3) | - | (2.34%) | - |
2011 | (18460.4) | - | (2.41%) | - |
§ この数字、実は2007年に「もう一度月へ行くぜプラン」が発表された時の「当初の予定通り」という要求額です。まあ、当然といえば当然ですが、プロジェクトの進行状況やこれまで実際に確定した予算、政府の財政状況なんかを考慮せずに長期計画を立てたときのままの予算を出してきた、ともいえるかもしれません。
ホワイトハウスのサイエンス担当官も、この予算要求を見て「もう少し考えたらどうなの?」というコメントを出してますね。さもありなん。~
ref. Congress Reacts To New NASA Budget(NASA Watch)
2007年度の申請でNASAは3.19%増を要求しましたが、実際には0.36%減の数字しかつきませんでした。結果的に2008年度の申請額は前年比前年比6.32%増というかなり大きな数字になりました。ただ、2008年度の申請は、今年と同じように2007年の予算が確定する前に出ましたから、現実的な数字になっていないのは仕方ありません。
しかし、2009年度の申請は、本来ならばこの2007年度予算の減額を受けてプロジェクトの見直しを図った上で出されるべき数字です(少なくとも予算を承認する議会はそう考えるでしょう)。それに対してNASAは2007年に立てた長期計画と全く同じ予算を申請しました。また、予算の内訳で多少調整しているものの、長期計画にも大きな変更は入っていません。強気、といえば聞こえはいいですが、すでにスタート地点(2007年度予算)で転んでいるのに、立ち位置を調整しなくていいのかな?という気もしますね。
2007年度予算が大幅な減額を受けたこと、シャトルの打ち上げスケジュールが微妙に遅れ始めていること、新しい打上げ機の開発が難航していることなんかを考えると、本当に大丈夫かな?という感じ。もし2008年度の予算も減額されることになると、理想と現実のギャップがさらに広がることになります。
ただでさえ、予算据え置きが決まった翌年に6.32%伸び率で予算を獲得するのはかなり難しい上に、ここにきてアメリカの経済そのものが大打撃を受けていますから、要求どおりに2008年度の予算を獲得するのはかなり厳しそうです。いよいよプロジェクト全体の見直しを迫られることになるかもしれません。*1
*1 まあ、その前に大統領が変わるので、宇宙戦略そのものがどうなるか分からないんですが...