2007-07-27
§ **[clip] Space computer 'sabotage' probe (BBC)
今回のシャトルのフライトでISSに設置する予定の機材に「破壊活動」の跡が見つかった、というお話。えぇえええ!?どうやら、内部の配線が意図的に切られているのが見つかった、ということみたい。
不具合が見つかったのはISSのディスティニーモジュールに設置され、センサーからのデータを収集するための小さなモジュールで、8月7日打ち上げ予定のSTS-118エンデバーの乗務員キャビンに積まれてISSへ運ばれる予定だったもの。さほどクリティカルな機材でもなく、不具合も簡単に見つかるものだったそうな。フライトに使われる機材にサボタージュの跡が見つかるのは初めてとのこと。
まあ、重要度の低いユニットだったからこういうことができた、とも取れるけれど、もし「ミッションクリティカル」な部分で、「見つかりにくいところ」が壊されていたら...と考えると、ちょっと看過できない問題だよね。
(追記)~
通報してきたのはこのユニットを作っている企業とのこと。どうやら、犯行もその会社での組み立て中に行われたものみたい。
§ **[clip] Panel Finds Astronauts Flew While Intoxicated(Aviation Week)
さらに、げんなりなニュース。上の記事にも触れられているけれど、先日話題になったリサ・ノワック飛行士の誘拐未遂事件を受けて行われた宇宙飛行士の健康に関する調査で、フライト直前の宇宙飛行士が「酔っ払っていた」り「大酒を飲んだり」している事例が見つかったとのこと。は?
風紀が乱れてるなあ。なんか、こう、ものすごーく、ダメダメ、グダグダな感じがするんだけど、NASAの中はどうなっているんだ?
これについては現地の金曜日に詳しい記者会見が開かれるみたい。
(追記)~
ちなみに、今のところ分かっているのは「宇宙飛行士が酔っ払った状態で飛んだ(fly)」というだけなので、シャトルで飛んだのか、ソユーズで飛んだのか、あるいは訓練機で飛んだのか、はまだ分からない。~
ref. Did NASA Fly Drunk Astronauts?(NASA Watch)
§ **[clip] モハーベ空港にあるスケールドコンポジット社の関連施設で爆発事故(sorae.jp)
つまりこれは、世界初の民間宇宙機スペースシップワンか、その大型後継機であるスペースシップ2の地上施設ということです。どうやら関係者が2人亡くなっている模様。がーん!なんか今日はショッキングなニュースばかりだよ...
でも、何があったんだろう?スペースシップワンは液体の酸化剤(亜酸化窒素)と固体の燃料(HTPB)を使っているのが特徴。出力こそ普通の打ち上げロケットには敵わないものの、燃料が安定していてめったなことでは爆発したりしないのがメリットのはず。
消防署のスポークスマンの談話では「亜酸化窒素のタンクが...」みたいな話も出ているけれど、酸化剤単体では爆発したりはしない。亜酸化窒素は加熱すると窒素と酸素に分解する、言ってみれば、常温でも液体で保存しておける「酸素」という感じ。車のエンジンなんかに吹き込むと瞬間的に出力を上げられたりするけれど(車漫画なんかで「ニトロ」と言っているやつ。ニトログリセリンとは違うよ)、単体では燃えない。
もし、エンジンテスト中だったとしたら、燃焼室が壊れて爆発とか、燃料と混合したガスがタンクに吹き戻って爆発とか、点火のタイミングをミスって爆発とか、いくつか原因が考えられる(ただ、ハイブリッドロケットにこういうことが起き易いのは分かっている事なので、ある程度の対策は取られているはず)。~
ref. Hybrid rocket - Hybrid safety(Wikipedia)
なんにしても、このシリーズは安全性が高いのが売りだっただけに、今後の開発計画にかなり影響があるんじゃないかな。
(追記)~
病院に運ばれた2人のうち、1人が無くなって、死者は3人になったとのこと。ご冥福をお祈りします。どうやら亜酸化窒素をエンジンに流すテストしていた際の事故だったみたい。ただ、このテストはただ亜酸化窒素を流すだけで、エンジンに点火するようなものではないとのこと。うーむ、ますます分からない。