2007-02-15
§ *Daily Clipping
§ **H-IIAF12の打ち上げ延期
15日予定されていたH-IIAF12の打ち上げは明日16日に延期。~
ref.H-IIAロケット12号機による情報収集衛星2機の打上げ延期について(JAXA)~
ref.宇宙作家クラブ ニュース掲示板
§ **4300年前にチンパンジーが作った石器を発見
米加独の合同研究チームが、4300年前、チンパンジーが作ったと見られる石器をコートジボワールで発見した。これは「チンパンジーと人間の共通の祖先が道具を作る能力を有していた」か「チンパンジーが独自に道具を作ることを覚えた」ことを示唆しており、チンパンジーの道具の使用が人間のを真似たものであるという説を覆すもの。~
ref.Ancient chimp-made ‘hammers’ fuel evolutionary debate(University of Calgary)~
ref.The Chimpanzee Stone Age(Max Planck Society)~
ref.Ancient chimps 'used stone tools'(BBC)
「唯一○○することができる生物」という地位から人類が転がり落ちることに無類の喜びを見出す僕としては、とても心躍るニュース。
ちなみに、何でこの石器がチンパンジーのものだとわかったかというと、「石器」が人間が使うには大きすぎたのと、彼らしか食べない木の実に由来するでんぷんが付着していたから、らしい。また、4300年前に人間とチンパンジーの間に何らかの交流があったという可能性については、この場所は熱帯雨林で当時は開墾されておらず人と接触があったとは考えにくいとのこと。
§ **Beagle2を探せ
ESAが打ち上げた火星探査機Mars Expressに搭載されていた着陸機Beagle2は火星大気への再突入時に消息を絶った。一時期Mars Global Sarvayerから送られてきた画像の中にそれらしき物体が写っているのが確認されて、すわBeagle2発見か?と話題になったけれど、もう一度同じ位置を撮影したところ、小さなクレーターであることが判明。捜索作業は振り出しに戻っている。~
ref.The MGS MOC Search for Beagle 2(Malin Space Science Systems)
で、最近Beagle2が着陸したと思しき地点をより解像度の高いHiRISEカメラで撮影した画像が公開された。これを受けてThe Planetary SocietyのEmily Lakdawallaさんが「みんなで行方不明になったBeagle2を探そうよ」とBlogで呼びかけている。~
ref.HiRISE targets the Beagle 2 landing ellipse(The Planetary Society Blog)
ためしに一枚眺めてみたけれど、ここに人工物が写っているかも、と思いながら写真を眺めるのはなかなか楽しかった。時間があるときに続きも見てみようかな。
§ **ヒロビレイカの生きている姿を映像を撮影することに成功
日本の国立科学博物館の研究チームが、父島沖の深海で体長2.3mヒロビレイカ(Taningia danae)の映像を撮影することに成功。攻撃する際に足先から蛍光を発している様子などが捉えられた。~ ref.Monster Glowing Squid Caught on Camera(National Geographic)~ ref.Observations of wild hunting behaviour and bioluminescence of a large deep-sea, eight-armed squid, Taningia danae(Royal Society) ※当該論文PDF 撮影したのは、国立科学博物館、動物研究部(研究主任は窪寺恒己氏)。このチームは深海の巨大イカの撮影では間違いなく世界のトップ。2004年に世界で始めて生きているダイオウイカを映像に収めたり、2006年にはダイオウイカを釣り上げたりしている。~ First-ever observations of a live giant squid in the wild(Royal Society)~ ref.Live giant squid caught on camera(BBC)~ ref.小笠原諸島沖で釣獲された「ダイオウイカ」について(国立博物館)§ **全長1mのチェンバーで、粒子加速器のエネルギーを2倍にする新しい手法が開発された
スタンフォード大学の研究チームが、全長2マイルの粒子加速器に全長1mのプラズマチェンバーを追加して、加速された粒子のエネルギーを2倍にすることに成功した。~
ref.New Accelerator Technique Doubles Particle Energy in Just One Meter(Stanford Linear Accelerator Center)
なんだかすご過ぎて「胡散臭い通販番組」みたい。「この魔法の液体を燃料タンクに1滴垂らすだけで燃費が倍に!」とか...。いや、冗談はともかく、ただでさえ莫大な予算と土地が必要になる粒子加速器が簡単にパワーアップできるとすれば、この分野の研究の様相がガラッと変わるかもしれない。