2006-08-28
§ **[sts115] NASA wrestles with shuttle launch decision(NewScientist)
さらにSTS-115のスケジュールのお話。日も変わってしまったので、復習から行きましょう。~
・落雷の影響のチェックのため、8月29日午後15時42分が最短の打ち上げ~
・週末にはハリケーンが来る~
・9月7日以降は、ISSへのソユーズの打ち上げと日程が被るので、ロシアと調整が必要~
・打ち上げが日没後になってしまうので、規定により9月13日以降の打ち上げは禁止~
・9月13日を逃すと、次のチャンスは11月末~
というわけで、選択肢は今週半ばか、来週前半ということになります。
で、さらにハリケーンが直撃する場合には、風速が規定を上回ってしまうかもしれないので、シャトルを組立棟に戻す必要が出てくるかもしれないとのこと、こうなると9月7日頃まで打ち上げができなくなるそうな。
それから、ソユーズの打ち上げは、シャトルが3日までに打ち上がれば14日、7日までに打ち上がれば18日。それ以降は帰還の時の回収作業が夜になってしまうので避けたい、とのこと。何で夜が嫌かというと、今回初めて軍隊ではなく民間企業がカプセルの回収を請け負うから。
うわーますますぎりぎりだよ。理想的には落雷の影響をさくっとチェックしてハリケーンが来る前に打ち上げたいところですが、なにかトラブルが見つかれば、シャトルは組立棟に戻されるでしょう。そうなると打ち上げのチャンスは、たぶん9月7日しかありません。それを逃すと、ロシアと交渉してソユーズの打ち上げをさらにずらしてもらうか(何らかの違約金が必要かもしれませんね)、11月末まで延期ということになります。2010年にシャトル退役、それまでにISS完成という約束があるので、スケジュールが11月にずれ込むのは避けたいところ。なかなか厳しい選択を迫られそうです。
§ **[sts115] Rollback preps ordered for Atlantis(Space Flight Now)
(21:00 JST 更新)NASAはハリケーンを避けるためにシャトルを組立棟に戻す(Roll Back)準備を始めたようです。これで、少なくとも火曜日の打ち上げは無くなりました。
水曜日の朝には40ノットの暴風域に入るという予報が出ているため、火曜日の夕方には組立棟に戻せるように準備を始めたとのこと。ただ、今後ハリケーンが進路を変えたり、勢力を弱めたりすれば準備を中止し、打ち上げ準備を再開するという感じ。ただハリケーンは直撃コースを通っているので、その可能性はかなり低そうです。この決定のデッドラインは火曜日の昼とのこと。
もしこのまま、シャトルが組立棟に戻されると、打ち上げは9月7日以降になる可能性が大です。上にも書いたように、これはぎりぎりのタイミングですね。どうやらNASAはすでにロシアとは打ち上げスケジュールをずらす交渉に入っているようです。
いつもながら、NASAはハリケーンに泣かされますね。
(0:15 追記)~
先ほど行われたプレスカンファレンスによると、予定を早め、火曜日の午前中には組立棟に向けて移動を開始するとのこと。ただし、いったんシャトルを戻してしまうと、9月7日のリミットまでに再び打ち上げられる状態に持って行くのはかなり難しそう。7日以降に打ち上げを行うことも視野に入れ、ロシアとスケジュールを調整中とのこと。