2006-08-24
§ **惑星の新定義、決定!
本日、国際天文学連合の会合に置いて、「惑星」の新しい定義が提示されました。~ 冥王星は惑星ではなくなりました。太陽系の惑星は、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8つになります。~ また、セレス、冥王星、カロン、2003UB313(非公式にゼナと呼ばれています)は今後Dwarf Planetと呼ばれることになります。RESOLUTION 5A(決議 5A)なお、同時に決議5A(1)の天体をClassical Planetと呼ぶという案(決議5B)、決議6Aの天体をPlutonian Objectsと呼ぶという案(決議6B)も決議されましたが、こちらは否決されています。
The IAU therefore resolves that planets and other bodies in our Solar System be defined into three distinct categories in the following way:
国際天文学連合はここに、我々の太陽系に属する惑星及びその他の天体に対して以下の3つの明確な種別を定義する:
(1) A planet[1] is a celestrial body that (a) is in orbit around the Sun,(b) has sufficient mass for its self-gravity to overcome rigid body forces so that it assumes a hydrostatic equilibrium (nearly round) shape, and (c) has cleared the neighbourhood around its orbit.
(1) 太陽系の惑星(注1)とは、(a) 太陽の周りを回り、(b)十分大きな質量を持つので、自己重力が固体に働く他の種々の力を上回って重力平衡形状(ほとんど球状の形)を有し、(c) その軌道の近くで他の天体を掃き散らしてしまっている天体である。
(2) A dwarf-planet is a celestial body that (a) is in orbit around the Sun, (b) has sufficient mass for its self-gravity to overcome rigid body forces so that it assumes a hydrostatic equilibrium (nearly round) shape[2]and (c) has not cleared the neighbourhood around its orbit, and (d) is not a satellite.
(2) 太陽系の dwarf planet とは、(a) 太陽の周りを回り、(b)十分大きな質量を持つので、自己重力が固体に働く他の種々の力を上回って重力平衡形状(ほとんど球状の形)を有し(注2)、(c) その軌道の近くで他の天体を掃き散らしていない天体であり、(d)衛星でない天体である。
(3) All other objects[3] orbiting the Sun shall be referred to collectively as "Small Solar System Bodies".
(3) 太陽の周りを公転する上記以外の他のすべての天体(注3)は、Small Solar System Bodies と総称する。
[1] The eight planets are: Mercury, Venus, Earth, Mars, Jupiter, Saturn, Uranus, and Neptune.
注1: 8つの惑星とは、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星である。
[2 ]An IAU process will be established to assign borderline objects into either dwarf-planet and other categories.
注2:基準ぎりぎりの所にある天体を dwarf planet とするか他の種別にするかを決めるIAUの手続きが制定されることになる。
[3]These currently include most of the Solar System asteroids, most Trans-Neptunian Objects (TNOs), comets, and other small bodies.
注3:これらの天体は、小惑星、ほとんどのトランスネプチュニアン天体彗星、他の小天体を含む。RESOLUTION 6A
Pluto is a dwarf-planet by the above definition and is recognized as the prototype of a new category of trans-Neptunian objcts.
冥王星は上記の定義によって dwarf planet であり、トランスネプチュニアン天体の新しい種族の典型例として認識する。
(日本語訳は国立天文台 アストロ・トピックス (232)より転載)
§ **(追記)冥王星が惑星からはずされた理由
新聞などで、地球と「海王星以遠天体」のサイズを比較するような図や太陽系天体の軌道図などが使われているせいかもしれませんが、少なからず勘違いしている人がいるようです。冥王星が惑星からはずされたのは「サイズが小さいから」や「軌道がずれているから」ではありません。
「太陽系における惑星とは(a)太陽の周りを回っていて、(b)自重で丸くなるくらい重く、(c)近傍の天体を一掃している天体」
冥王星は、(a)と(b)には該当していますが、(c)には該当していないんです。これが冥王星が惑星からはずされた理由です。また、同時に採択されたdwarf-planet(矮惑星?)の定義は、要するに「惑星」の定義から(c)を取ったものですから、冥王星は惑星ではなくdwarf-planetである、ということになるわけです。
これにはちょっと説明が必要かもしれませんね。
話は太陽系が生まれた頃までさかのぼります。太陽系が今の形になったプロセスについては諸説ありますが、ガスや塵が集まって、微惑星や小惑星ができ、それらがさらに集まって惑星(planet)ができた、という大枠の部分では天文学者の意見はほぼ一致しています。この小さな天体が集まって、大きな天体になっていったという過程で、今回、惑星とされた天体に「近傍の天体を一掃する」という現象が起きたと考えられているんです。
小さな天体が衝突を繰り返しながらだんだん大きくなっていく過程で、周りの天体より大きくなった天体は、重力もそれだけ大きくなりますから、より多くの塵や微惑星を集めることになります。すると、さらに重力が大きくなってより多くの塵や微天体を集めます。こうして、一部の天体のサイズが急激に大きくなっていき、周りから突出したサイズを持つ天体ができることになります。こうした天体は、周りの小さな天体をどんどん取り込んだり、逆に弾き飛ばしたりしながら、周りの天体を一掃していくんです。そうそう、この過程で大きな天体の重力に捕らえられて、太陽ではなくその天体の周りを回るようになったものもあったはずです(そう、衛星です)。やがて、近傍から同じようなサイズの天体がなくなり、後には単一の「惑星」が残るということになります。
しかし、冥王星の周りには、一時は惑星の認定を受けかかった、2003UB313をはじめとして、同じようなサイズの天体が複数発見されていて、このような「近傍の天体の一掃」が起きたとは考えにくい状態です。むしろ、無数にある海王星以遠の天体の一つと考えるほうがしっくり来るんです。これが、冥王星が惑星からはずされた理由です。
冥王星や火星と木星の間の小惑星帯(セレスがあるところです)周辺でこの天体の淘汰が起きていない理由は、実はまだよくわかっていません。「突出したサイズの天体ができる前に、その周辺の天体の密度が下がってしまった」あるいは「実は大きな天体が存在したが、何らかの理由でその天体が軌道から外れていなくなってしまった」というのが順当なところでしょうか。
http://narukini.blog72.fc2.com/blog-entry-134.html<br>気になる言葉<br>冥王星<br>冥王星(めいおうせい、Pluto)は、太陽系の矮惑星 (dwarf planet) の1つ。海王星以遠天体 (TNO) のエッジワース・カイパーベルト天体 (EKBO) の冥王星族に属する。
冥王星が近傍の天体を一掃していないことわ良くわかりましたがそのくらいいいじゃないですかwwwwwwwwwww
理科の宿題で調べてたんですけど<br>なんではずされたのか知らなかったので(冥王星が)<br>めっちゃ感動。関心しました(>_<)
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