2006-08-21
§ **[clip] 民間宇宙船の開発へ、NASAが米2社を選定(YOMIURI ONLINE)
NASAがISSへ物資や人員を補給するための打上げ機と宇宙船を、民間企業に発注する、というお話。これは以前から選定を行っていたもので、今回正式にSpaceXとRocketplane-Kistler(RpK)に発注が決まったとのこと。
実は、どちらの会社も自前の打上げ機の発射実験にまだ成功していません。SpaceXは打上げ機のFalconの初飛行に失敗、2回目のテストに向けて準備中。RpKは自家用ジェットを改造した弾道飛行有人機の初飛行が目前、という感じ。国際宇宙ステーションに荷物や人を届けるためには技術的なブレイクスルーがまだ沢山必要です。とりあえず初飛行を成功させ、不具合の洗い出しをして...と有人機の打ち上げに至るまでにはまだまだ時間がかかるかもしれませんね。
ファーストフライトは2008年後半、ってあと2年しかありませんが間に合うんでしょうか?
ref.SPACEX WINS NASA COTS CONTRACT TO DEMONSTRATE CARGO DELIVERY TO SPACE STATION WITH OPTION FOR CREW TRANSPORT(SpaceX)~
ref.Rocketplane Kistler Wins $207 Million Award to Demonstrate International Space Station Servicing (RpK)
§ **[clip] Pluto may yet lose planet status(NewScientistSpace)
先日発表された、惑星の定義に関する続報。現在承認に向けて議論が行われているはずですが、「近傍の天体のなかで、突出したサイズを持っていること」という定義を追加する案が出ているとのこと。
これまたもっともな意見。惑星の形成過程を考えるなら、「微細な天体が集まって比較的大きな塊ができ、それらがさらに集まってさらに大きな塊ができ、同一軌道を周回するほかの天体を飲み込むか弾き飛ばしてしまった結果、周りに大きな天体がなくなったもの」という定義ができます。形成途中の惑星系も考慮に入れられるということで、適応範囲はさらに広くなり、逆に当てはまる天体の数はぐっと少なくなりますね。
これだとおそらく冥王星をはずした水金地火木土天海の8惑星ということになるんじゃないかな?こっちのほうがシンプルだなあ。ま、とりあえずあわてず騒がず24日を待ちましょうね。
§ **[clip] Earth's Moon Could Become a Planet (Space.com)
上に関連して、もう一つ反論。先日発表された惑星の定義に従うと、そのうち地球の月も惑星の仲間入りをしちゃうよ、というお話。
新しい定義では、現在冥王星の衛星とされているカロンが冥王星と2重惑星という形で惑星の仲間入りをすることになっています。これは、冥王星に対してカロンがとても大きく、両者の共有重心が冥王星の外にあるため。で、月は年に3.74センチづつ地球から遠ざかっています。ということは、いまのところ地球-月の重心は地球の中にあるけれど、そのうち重心が地球の外にでることになる。そうなったら月と地球は「2重惑星」ってことになるの?ということみたい。
まあ、これはそれでもいいんじゃないの、という気もするなあ。地球の月は他の惑星の衛星に比べてやたらと大きいし。ま、とりあえずあわてず騒がず...(もういいって)。
初めまして、SHUNと申します。いつもGarbage Collectionを興味深く拝見しております。<br><br>私は間違いなく、<br><br>>冥王星をはずした水金地火木土天海の8惑星<br><br>に一票です(笑)
こちらこそ、はじめまして。<br>そうなんですよね、冥王星さえはずせば、「これ以上惑星の数を増やさずに済んで、しかも分かりやすい定義の方法」もありそうなんですけどね。何をこだわっているんだか...
アメリカがこだわっているのでは(笑 ▼結局、惑星は「冥王星をはずした水金地火木土天海」+「過去の慣例を鑑みて冥王星だけは特別に惑星」で合計9つで落ち着きそうな気もします。過去の総会の結果と同じになっちゃいますけど……。
今回は、スパッと決めてくれるかと思っていたんですが...やっぱりダメですかねえ。中途半端な定義で混乱させるくらいなら現状維持のほうがいいなあ。
冥王星はアメリカ人クライド・トンボーが発見したので、アメリカの政治的な力で残りそうですよね。本当に中途半端な定義はやめて欲しいですよね。<br><br>下記は私の私見ですが・・・<br>http://blog.livedoor.jp/shun198914/archives/50683050.html
実は24日に結論が出てから書こうと思っていたんですが、実は個人的には、あまり複雑な定義は「教育上あまりよくない」ような気がします。子供が覚えられないとかそう言うことじゃなくて、太陽系というものをイメージしづらくなってしまうんじゃないか、という気がするんですよ。<br>太陽の周りを9つ(8つ?)の惑星が回っているというイメージはなかなか喚起力がありますよね。そのイメージを核にしながら、その隙間を埋めるように小惑星がいたり、カイパーベルトが周りを取り巻いていたり、時々彗星がやってきたり、という太陽系の全体像を思い浮かべるのは、かなりいい方法だと思います。その大元の所、「太陽と惑星」という関係にあーだこーだと理屈をつけなくちゃいけなくなるのは、なんだかもったいないような気がします。<br>まあ、「すいきんちかもくどてんかいめい」で育った人間だからそう思うのかもしれないですけどね。