2006-08-18
§ **[clip] The IAU draft definition of "planet" and "plutons"(IAU)
もう既にあちこちで既報ですが、国際天文学連合で「惑星」の定義が提案されたとのこと。もちろんこれは原案なのでまだ承認されるとは限りません。地位が危ぶまれていた冥王星は惑星に認定。さらに、この定義に従うと、加えてこれまで小惑星とされてきた、セレス、カロン、2003UB313(冥王星より大きな小惑星として話題になった奴)も惑星の仲間入りをするそうな。おめでとー!
ちょっと面白いのは、これまで冥王星の衛星とされてきたカロンが惑星に昇格していること。冥王星とカロンは「2重惑星」ということになるようです。これは他の惑星の衛星に比べて、カロンが冥王星に対してとても大きく、この2つの天体の共通の重心が冥王星の外にあるためとのこと。なるほど。
さて、せっかくですから、「定義」を書いておきましょう。~
「重力で球体になるぐらいに十分に重くて、恒星の周りを回っていて、恒星でも衛星でもないもの」~
これが惑星(Planet)の定義。で、これまでの歴史的な経緯と整合性を保つために以下のサブカテゴリを推奨~
Classical Planet:1900年以前に発見された「惑星」~
水星、金星、地球、火星、セレス、木星、土星、天王星、海王星~
Dwarf Planet: 歴史的な理由によりセレスと他のClassical Planetsを区別するためのカテゴリ~
セレス~
Plutons: 「惑星」のうち大きく傾いた軌道傾斜と歪んだ楕円軌道を持ち、軌道周期が200年を超えるもの~
冥王星、カロン、2003UB313~
Small Solar System Bodies:~
上記以外の天体の総称
すでに、この12個に加えて、さらに12の天体が「惑星候補」としてリストアップされているそうな。
実は僕も最初は「増やすのかよ!」と思ったんですが、よく考えればいまや太陽系外惑星も次々と見つかり、"Planet"は太陽の周りを回るものだけじゃありません。単純に「冥王星」を外すというだけでは何も解決しないんです。そう考えると、なるべくシンプルな、宇宙のどこでも通用するような定義を作っておいて、太陽系の「惑星」に特別な名前をつけるというのは、とても正しいやり方のような気がします。だって、「太陽系」というのは数多ある惑星系の1つに過ぎないんですから。