2006-06-12
§ **[clip] Space debris impacts on shuttle mission(NewScientist)
STS-121のスペースデブリ対策に関するお話。
前回に引き続き今度のミッションでも、フライト中にシャトルの表面のタイルのチェックが行われる。最初はISSへのドッキング直前に行われる「宙返り」。これでISSからシャトル全体を撮影して破損箇所がないかチェックする。次に、飛行2日目に機体全体をカーゴベイ内のロボットアームに取り付けられたカメラ使って着たい全体をつぶさに調べる。もちろん、これはコロンビアの事故を受けて、打ち上げ時に断熱材が衝突して傷がついていないかをチェックするもの。
さて、前回STS-114の時もこの2回のチェックは行われていたんだけれど。これに加えてSTS-121では、飛行開始から10日目に左翼を、最終日にISSから切り離した後に右翼と機首部分をチェックする。この後半2回のチェックは、微細な隕石やスペースデブリなんかに衝突してできた傷がないかをチェックするもの。実は、こういうチェックが行われるのは始めてだそうな。
記事中でも触れられているけれど、カメラの小さな視野を頼りにロボットアームを動かすのはなかなか大変そう。こういうのこそ、自動化できないのかな?
§ **[clip] More on JAXA's lunar penetrator testing from Lou Friedman(PlanetarySocietyBlog)
JAXAがLUNA-Aに乗せるペネトレーターのテストに成功、というお話。これは、惑星協会の公式Blogに掲載されていたレポート。
LUNA-Aというのは、JAXA/ISASが2004年に打ち上げを予定していた月探査機。ペネトレーターと呼ばれる金属製の槍を月面に撃ち込み、月面地下の内部組成を探ろうという計画。ただ、組立段階でスラスタの部品に不具合が出て打上が延期、そのまま打上のめどが立たないままに現在に至っている。
今回、充分な深さまでペネトレーターを打ち込むことに成功し、計測機器のデータ取得にも成功したとのこと。ただ、全ての機器が問題なく動作し、ちゃんと地中のデータが地上から拾えているかどうかは、データを解析してみないと分からないそうな。
このニュース、なぜかJAXAを始めとする日本の公式サイトにいっさい情報が掲載されていない。実験をしますよ、というアナウンスぐらいあってもいい気がするんだけど、ちゃんとデータがまとまってから発表するつもりなのかな。あるいは、リリース書いている暇もない、という感じなのか。それとも、何か大人の事情があるんだろうか(2004年に打ち上げるはずだった探査機に搭載する機器のテストを今も続けなくちゃいけない、というのがその一端なのかもしれないけれど...)?どういう理由があるにしても、打ち上げが伸びに延びて、先の予定が分からなくなっている今だからこそ、ちゃんとリアルタイムでステータスを発表したほうがいいんじゃないかな?