2006-04-14
§ **[clip] 'Standard' star not so standard after all(NewScientist)
天文学の分野で標準星のひとつとして様々な観測の目安になっていること座のベガがちっとも普通じゃなかった、というお話。うわお!
こと座のベガは天文の分野では、明るさの等級の基準になっていたり、分光観測のときのスペクトルの標準として使われたりする、なかなか天文学者にとっては親しみのある星ですが、今回、光干渉計による観測で、この星が遠心力でバラバラになる寸前の猛烈なスピードで自転していることが分かりました。
しかも自転軸がほぼ真っ直ぐ地球の方を向いていて、赤道付近に比べて2000℃も表面の温度が高い北極が地球のほうを向いていたとのこと。どうやら、以前から「ちょっと明るすぎる」とか「吸収線スペクトルがちょっと変」という理由で、高速に自転している可能性が指摘されていたようですが、今回この説が証明されたことになります。
こと座のベガは北半球で2番目明るい星(一番はシリウス)で、夏の大三角形の一つです。あの見慣れた星が、こんなに変わった星だったというのはちょっと驚き。天文学者にとっては青天の霹靂かもしれませんが...
§ **[clip] NICT光地上局通信実験における衛星捕捉追尾のビデオ映像配信(NICT)
2005年8月24日に打ち上げられた、衛星間で光通信を行うための試験衛星「きらり」を使った、地上-衛星軌道間の光通信実験の動画。静止衛星では実績があったけれど、低軌道で成功させたのは世界始めてとのこと。
こ、これはすごい!だってこれ、高度600kmの彼方を秒速7kmで移動する衛星から放たれた光が1.5mの的を射抜いているってことだよ。
参考)光衛星間通信実験衛星「きらり」(OICETS)と情報通信研究開発機構 光地上局による光通信実験の成功について(JAXA)
§ **[clip] 宇宙科学講演と映画の会
以前も紹介しましたが、明日(4/15)は、新宿で『宇宙科学講演と映画の会』でございます。ええ、行きますとも。なにしろ講演が「はるか」の平林先生*1と「はやぶさ」の川口先生ですから。きゃー、たのしみ!
*1 ちなみに、hirax.netの平林純さんのお父様です