2006-03-15
§ **[clip] 宇宙科学講演と映画の会のお知らせ(JAXA/ISAS)
今年も『宇宙科学講演と映画の会』のお知らせが来ました!今年はなんと、講演者の一人ははやぶさの川口さんです。これは行くしか!僕は去年も行きましたが、あんな贅沢な講演を無料で開いていいのか?というようなすばらしいイベントでした。関東近郊にお住まいの方はぜひどうぞ。とてもおすすめです。今年も行けるかな?
§ **[clip] Shuttle launch delayed to July 1 for tank sensor swap(SpaceFlightNow)
5月に予定されていたSTS-121の打上げが7/1に延期されました。外部燃料タンクのECOセンサーに不具合が見つかったとのこと。ECOセンサーは燃料タンクが空になるまえにエンジンを止めるためのもので、誤動作すると致命的な結果を招きます(空になったと勘違いすればエンジンが止まってしまいますし、まだ燃料があると勘違いすればエンジンに燃料を供給する超高圧のポンプが空回りして下手をすると爆発の危険があります)。参考)ECOセンサー(NASA)
このセンサーは、野口さんが飛んだSTS-114の打上げの際にトラブルが出たものと同じセンサーです。STS-114の時は組立の段階で不具合が見つかってタンクを丸ごと交換し、打上げ前になって再びトラブルが出て、再び数日間の延期。最終的に4つあるセンサーのうち1つが機能しなくても打ち上げるという判断が下されました(打上げ時にはちゃんと4つとも動作しました)。
STS-114の後に調査が行われ、この不具合はセンサーの製造上の問題で、配線の取り付け方法に問題があったという指摘されていたようです(つまり、設計上の欠陥ではなかったという結論を下したんですね)。再び不具合が出たことで、今回はタンクごと交換するのではなく、断熱材を一部はがしてメンテナンスハッチを開け、センサーだけを交換することにしたようです。さすがに今回はセンサーそのものを取り出して調べないとだめだということになったみたいですね。
それにしても、このセンサーは3つ連続で不具合を出したことになります。しかも今回は調査が行われ、曲がりなりにも前回の不具合の原因が特定された後です。分かっていたにもかかわらず不具合の原因が取り除かれていないとしたらそれはそれで大問題ですし、原因がまったく別にあるとすれば単純にセンサーを交換するだけじゃ済まないかもしれません。なんにしても、どたばたしている感じが否めませんね。
それから、もっと心配なのは、ただでさえぎりぎりのシャトルのフライト数がこの延期で減ってしまわないかということ。7/1というのはSTS-121の次のフライトであるSTS-115が飛ぶはずだった日付です。フライトプランを見る限り、一番後ろに「臨時(contingency)」と書かれたフライトが二つありますから、いちおうまだ大丈夫なのかもしれませんが、貴重な貯金を使ってしまったのは間違いないでしょうね。