2004-09-11
§ [clip] Daily Clipping
Telescope snaps distant 'planet' (BBC)
太陽系外惑星が始めて望遠鏡で直接捉えられたというニュース。まじ?うぉおおおお。
これまで、惑星の重力による母星のふらつきや、惑星が前面を通過することによる母星が減光、母星を取り巻くガスの密度の変化などから間接的に存在が確認されていた太陽系外惑星が始めて望遠鏡で直接観測されたとのこと。これが本当に惑星なのかどうかはまだはっきりと分かっていませんが、スペクトル分析から水の分子が検出されており、この天体が非常に小さく軽いことから惑星である可能性が高いと考えられます。
これが本当に惑星だとすれば、単に存在することが分かったというだけでなく、スペクトル分析などによって更に細かい組成などを観測することができることを意味します。これは系外惑星探査が新しい時代に入ったといえる革命的な出来事です。
観測に成功したのは、南米チリのパラナル山にある欧州南天天文台(ESO:European Southern Observatory)のVery Large Telescope (VLT)です。これは、4台の口径8.2mの望遠鏡を組み合わせて分解能を上げる光学干渉計とよばれるシステムで、理論的には口径130メートルの望遠鏡に匹敵する能力を持っているといわれています。
(追記)
コメント欄にてzundaさんから、今回の観測はVLTの1つにつけられたNACOという観測装置によるものとのご指摘がありました。これは近赤外線領域の観測装置に補償光学システムを組み合わせたものですね。補償光学(Adaptive Optics)というのは、リアルタイムで大気による像の揺らぎを補正する技術のこと。ハワイのすばる望遠鏡でも使用され、素晴らしい成果を上げています。