Garbage Collection


2004-05-11

えーと、人生がもの凄い音を立てて動き始めたりしたので、しばし呆然としておりました。

§ [clip] Daily Clipping

PIA05389: Saturn in Color (NASA Planetary Photojournal)

土星に向かっているカッシーニが、最後の「土星の全体像」を送ってきました。ここから先は、土星が近すぎてカメラの画角からはみ出してしまいます。ぜひ、上にリンクしたページから高解像度の画像をどうぞ。息をのむような画像です。

カッシーニはこれから、さらに土星に近づきます。これから、もっと美しい画像が送られてくるでしょう。


How Mars got its rust: Model explains why the red planet is so red. (Nature)

「なんで火星はあんなに赤いのか?」という疑問に答える学説のお話。

火星が赤いのは、地表に大量に存在する酸化鉄のせいです。要するに錆びているわけですね。ただ、地球と比べるとその量が極端に多い、これはなぜか? 今の太陽系形成理論では、地球と火星はほぼ同じ時期に同じ材料から形成されたとされており、本来の組成はほぼ同じはず。ここまで表面の性質が違うためにはなんらかの理由が必要なんです。

さて、この記事は「地球では、惑星形成直後に酸化鉄が液体金属鉄となって中心部に沈んだのだ」とする仮説が出されたとのこと。火星は小さかったために充分な熱量が保てずに、地表に酸化鉄が残ったということのようです。


NASA Genesis Spacecraft On Final Lap Toward Home (ScienceDaily)

太陽探査機ジェネシスが帰ってくるというニュース。

太陽-地球のラグランジュポイントで太陽風の観測とサンプルの採集を行っていたジェネシスが帰途についています。予定通りなら、2004年9月8日に地球に帰還、ヘリコプターを使って空中収容します。

ジェネシスは2001年8月8日に打ち上げられ、30ヶ月に渡って太陽と地球の重力が均衡する点(ラグランジュ点)にとどまって、太陽の観測を行ってきました。この探査機は太陽風のサンプルを採集して持ち帰ることを主目的としており、今回観測を終えて帰途についたというわけです。

太陽風は、太陽を取り巻く外周部分から吹いています。この部分は太陽系が出来てから50億年間組成が変化しておらず、太陽そのものと、太陽系の全惑星を形成した物質と同じものと考えられます。つまり、このジェネシスが持ち帰るサンプルは太陽系の起源を探る上で非常に重要な資料なんです。無事に回収されるといいなあ。


打ち上げのときに、Junkyard Reviewでちょっとだけ言及してます。ラグランジェポイントの説明をしてますね。

Junkyard Review 2001.08.09