2004-03-02
§ [clip] Daily Clipping
彗星探査機ロゼッタ打ち上げ (Spaceflght Now : Mission Status)
2002年12月のアリアン5の失敗により、打ち上げが延期。当初の目標だった46P/ワータネン彗星に到達できなくなったため、軌道計算から何から全部やり直して67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に変更。あげくのはてに打ち上げ寸前にアリアン5の断熱材の脱落が発見されて、再び一週間近く延期。紆余曲折を経てようやく打ち上げられ、無事探査機の切り離しが確認されました。
この探査機の最大の特徴は、彗星本体への着陸機を備えていること。彗星の核は、太陽系創世時の物質がほとんど変性せずに保存されていると言われており、研究対象としては非常に魅力的です。
この後、ロゼッタは2005年、2007年に地球をフライバイ、2007年に火星をフライバイ、2009年に再び地球をフライバイし加速をつけます。アステロイドベルトをくぐり抜け、徐々に軌道を変更、その後2011年から3年間冬眠状態に入り、ようやく2014年1月に目標である彗星に到着します。約10年の道のりですね。
よい旅を、ご無事をお祈りします。
Major news from Mars rover to be announced Tuesday (Spaceflight Now)
火星ローバー、オポチュニティの「重要な発見」に関する会見がアメリカ東部標準時2日午後2時から行われるそうです。なんだ、なんだ?そのもったい付けたリリースは。水か?それとも生き物の痕跡でも見つかったか?緑の小人か?
少しまじめに書いておくと、この間オポチュニティはクレーター内の岩石に関する観察をずっと行ってきましたから、その分析結果から「何か」が分かったということでしょう。会見を開くほどの重大発表だとすれば、過去ないし現在、液体の水が存在したことを立証する結果が出たというのが一番有力じゃないでしょうか。さすがに、いきなり「生命」はないと思いますが...
※NASA Watchによると、このカンファレンスは二週間前に予定が組まれており、遠隔会議システムやストリーミングサーバなどの準備が行われてきたとのこと。ですから、少なくとも「緊急会見」ではありませんね。先週末の段階で、NASAの科学者が「水の存在についてそろそろ結果が出せそうだ」「火曜日頃には発表できる」なんてことを言っていましたから、予定していたプレスカンファレンスに合わせて、この結果を発表というところでしょう。
いやー、楽しみですねえ。わくわく。
Shattered eggs reveal secrets of explosions (Nature)
密閉物が爆発した時の破片の大きさは爆発時の圧力によって決まる、ということが卵の殻を使った実験で明らかになった。というお話。卵に小さな穴をあけて酸素と水素を吹き込み火をつけて吹き飛ばすという、中学生の自由研究みたいなやりかたで実験を行い、爆発力が強ければ強いほど破片は小さくなるということを明らかにしたとのこと。ゴムで飛ばしてぶつけてみたりしたが、爆発の時ほど破片は大きくならなかったそうな。楽しそうな実験だなあ。
元論文 : Fragmentation of shells
※Nature のサイトに記載されているアドレスは間違ってます。