Garbage Collection


2003-09-25

§ [clip] Daily Clipping

コメントは後ほど

California Team Conducts First Powered Liquid Propellant Aerospike Flight Test(SpaceRef)

カルフォルニア州立大学ロングビーチ校とガーベイスペースクラフト社が共同で、初の液体燃料を使用したエアロスパイクエンジンの飛行テストに成功したというニュース。


Electronic paper reaches video speed(Nature)

フィリップス研究所がビデオ映像を表示できる電子インクを開発したというニュース。


§ [final_report] コロンビア事故最終報告書 翻訳日記

コロンビア事故最終報告書 非公式日本語版

『1.3 Shuttle Development, Testing, and Qualification』 終了


§ [final_report] コロンビア事故最終報告書 翻訳日記

コロンビア事故最終報告書 非公式日本語版

『 1.2 Merging Conflicting Interests』 終了

と、とりあえずアップ。日本語がとっちらかっているのと、訳が怪しいのは随時直します。


さて、今回アップ分について若干補足をしておきましょう。


第一章前半(1-1,1-2)の内容は以下の通り。

-アポロ以後冷めてしまった宇宙開発への機運と財政難の中で、シャトル計画がポストアポロの壮大な計画の唯一の落とし子として残った。

-唯一残された有人飛行計画であり、今後の計画の足がかりとして、NASAはどうしてもシャトル計画の予算を通す必要があった。

-NASAはコスト的なメリットと、あらゆる用途に使えるシャトルの性能を売り込んだが、それは机上の空論でしかなかった。

-当面の予算を低く押さえるために、シャトルは運用コストや信頼性よりも、開発コストを押さえることを優先して設計が進められた。

-結果として、リスクが高く運用コストのかさむ機体が出来上がってしまった。


実は、この報告書では触れられていませんが、NASAがシャトル計画を議会に通す時に、実はもう一ひねりあったんです。報告書の中で、「シャトルの性能に国防総省が興味を持ち・・・」というくだりがありますが、じつは、ペンタゴンがシャトルに興味を持っていることを知ったNASAはこういう提案をしているんです。「開発とそのための資金はNASA持ち、その上で空軍の要求を満たすようにシャトルをデザインする。その代わり、議会でシャトル計画を通すための後押しをして欲しい」


60年代の後半から独自の宇宙計画を進め、それが頓挫していた空軍にとってはこれは願っても見ないチャンスでした。当然ながら空軍はこれに飛びつき、NASAは軍の法外な要求を聞き入れざるを得なくなったんです。(この話は、NASAのHistory OfficeのWebサイトに掲載されている文書に載っています)。


この頃、NASAはとにかくシャトル計画を存続させるために、なりふり構わず行動していました。彼らがなぜここまでシャトルプロジェクトに固執したのか、本当のところは良く分かりません。ポストアポロの夢が捨てられなかった、という「いい話」ばかりではないでしょう。緊縮財政で予算が押さえられる中、アポロで築いたポジションから滑り落ちるのをどうしても防ぐ必要があり、そのための旗印が必要だったというのが正直なところかもしれません。


さて、このあとお話はシャトルの開発そのものに移ります。ここでも、相変わらずごたごたしていたりするんですが・・・。まあ、それは本編で。