2002.10.21月
「アイマックスの挑戦」
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品川IMAXシアターに「スペースステーション」を見に行く。
あの「国際宇宙ステーション」で働く宇宙飛行士達に撮影トレーニングを行い、
彼ら自身によって撮影された貴重なドキュメンタリーだ。
よくそんな企画通すよな。カメラ、音声、照明全部を素人にやらせるなんて。
俺たちにはもっと他にやることあるんだ!って言われても仕方ないだろうに。
しかし映像はそんなこと微塵も感じさせない見事なものだった。
ところで。m's sideなので内容はおいといて当然音の話を。
劇場の入り口に「総重量1トンのウーファースピーカーと巧みに配置された
スピーカーにより、どの席でもほぼ同じコンディションで迫力ある音をお楽しみ
頂けます」うんぬん、ということが書いてあった。
…どの席でも?
よし、二言はないなアイマックスよ!!
さて劇場に入る。急な階段状の客席、15m以上ありそうな巨大スクリーン。
係員の「後方座席の方がお楽しみ頂けます」という言葉に、後ろから三列目もちろん
センターに陣取る。「どの席でも」なーんて、信じるほど馬鹿じゃないもんねー。
しかし綺麗な劇場だ。ゴージャス。そしてシック。片面全部ガラス窓のロビーっつー
のにも驚いたけど、中も金かかっとるー。
客入れBGMに何故かENYA。早速一番後ろの通路を下手から上手へ歩いてみる。
続いて上から下へ。…うん、確かに音はどこでも同じように聴こえる。が。
簡単にこの劇場の音を描写すると。
<やっぱりセンターはセンター>
ナレーション等、モノラルの音はスクリーン中心から聴こえる。
オケの曲を聴いてもやっぱり定位はついている。つまりどの席でも
自分の額の真ん中に音像のセンターがくるわけではない。
<壁がデッドすぎて…>
サラウンドスピーカーを効果的に使うには、壁の反射をなくすほうが
簡単だ。よってここも布張り。
そのせいで両端の座席では「あっ壁側の肩が寒い!すかすかする!」
という感じがすごくする。音量は同じになるように工夫してあるけど、
音圧が微妙に足りない。
見上げた巨大な空間には美しく音があふれて回っているのに、自分の
傍らにどーんと沈黙の壁が立っているのは変な感じ。なんとなく仲間
はずれにされた気分。
<結局メインスピーカーはスクリーンの裏>
よーく注意して聴くと、スクリーンからメインの音がくるのがわかる。
たまにいかにも「俺はサラウンドだぜ!」って感じの音が後方や真横
から降ってきてかわいらしい。後ろに巨大なサラウンドスピーカーが
クロスに吊ってあった。
<ウーファーはよくがんばりました>
ロケット発射を真下から見ているという映像があって、その迫力をよく
表現してはいた。席、揺れてたし。しかしその位のことなら素人でも
できるのだ。その上を行く音を体験したかった。
(実際私の音響の師匠は、大学時代私がプロデュースしたダンス公演の
時に客席の下にウーファーを仕込んでくれた。素敵なボディーソニック
音響だった…)
やっぱり下の音域が足りんよ。あれじゃー「割れちゃった音」と紙一重。
贅沢とは知りつつ、つい苦言。
IMAXシアターのホームページで確認したところ、音響に関する説明は以下の通り。
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音響設備
6チャンネルの強力なデジタルサウンド・システムで、アイマックス体験には極めて
重要な役割を果たします。劇場後方2ヶ所、巨大スクリーンの後ろ4ヶ所に設置した
特別なスピーカーと、総重量1tにもおよぶ低音用スピーカーシステムにより、席の
位置による音質の差をほぼ完全に解消します。座った場所に左右されず、極上の音質を
体験することができます。
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まー、とかなんとか言っちゃったけど、一度体験してみることをおすすめします。
映像はすごいです。「カメラのフレームでは見えないはずの所」まで見えるし、実際
そこにいるみたいな臨場感。「臨場感」って言葉よく聞くけど、こういうことなんだ、
って感心した。色味はちょっとクセがある。好みが分かれるかもしれない。
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BGM:Ska Flames/wail'n skal'm
2002.10.3木
「絶対音感・再び」
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図書館で最相葉月の「絶対音感」を見かけて、つい借りる。
実は読んだことないのだ。'98年に大流行したこの本、すでに閉架書庫に移されていた。
これだから流行モンは。などと意地悪なことを考えつつ、ぱらぱらと斜め読み。
・・・つ、つまらん。
内容はこんな感じ(読んだ人も多少はいるでしょうが)
1.色んなミュージシャンに対し「絶対音感の有無」、
「絶対音感についてどう思うか」というコメントを求める。
2.何故日本人に絶対音感所有者が多いのか。
3.結局絶対音感って何なのさ。
4.絶対音感をつけるための早期教育の方法と現状。
5.「音」の世界ってこんなに面白いのね。
6.五嶋みどりに見る早期教育と絶対音感…のはずが、なんだか
やたら思い入れの強い「五嶋ファミリー史」になって終わり。
え、偏見?偏見?!
多分筆者は「絶対音感」というキーワードから「音楽」そして「音」という未知の世界に
踏み込み、その余りの奥深さ、面白さの虜になったのだろう。得た知識を嬉しさのあまり、
やたらめったら詰め込んでしまった。できたのは何だかよくわからない本。
この内容なら「絶対音感」なんてタイトルつけなきゃいいのに。浅く広くで「結局のところ、
絶対音感って何なのさ」ってところが全然面白くない。
この本を手に取った大半の人は「絶対音感がないからどんなもんか知りたい」か「絶対音感が
あるけど人とはどう違うのか知りたい」のだと思うのだけど。
以上、斜め読みの上の感想(「批評」じゃなくてただの「感想」です)なので、最相葉月
ファンの方がいらっしゃったらツッコミ入れて下さい。こちらまで。
(じゃあ真面目に読めよと言われそうだが、もっかい読むほど面白くないんだもーん)
しかしあんなにみんな絶対音感を身につけたくてがんばるのですね。
日本でプロの演奏家になるのでなければ止めるべし。心から忠告。
私の場合、姉について一歳の頃からヤマハのエレクトーン教室に行って、教室の隅でころころ
遊んでいただけだった。それでもつくものはつく。そして今でも苦しむことがある。
先日千葉で観光ホテルに泊まって、夜ほとんど眠れず、散々な目にあった。原因は
「汚水処理タンクのノイズ」。
最初は冷蔵庫か空調のノイズだと思った。しかし!ああいうホテル特有のノイズの大きさを
「薄いレースのカーテン」とすれば、そのノイズは「大劇場の緞帳(どんちょう)」位に
音量・音質ともに圧迫感のある最悪なもの。
そして!音程が!F(ファ)!
これだよ。何がって、こんなにはっきりした音程がなければ意識から追い出せるのに。
耳栓をしても音楽を聴いてもその音は消えてくれず、しかもベッドがノイズに共振している
ので布団や枕に耳をつけていられず、涙目になり声のない悲鳴を上げつづけて夜が明けた。
あああ。今思い出してもサイアク・・・。
もちろん次の朝誰に聞いても「え、気づかなかった」。…神経過敏なヘンな人だと思われたら
どうしよう、と思ったが同行者はみんないい人達で、親身になってホテルと掛けあってくれた
ので、二泊目は部屋を変わることができた。しかも!ホテルはきっとこういう苦情に慣れてる
んだろう、その日は夜になったらタンクの処理音が止まってやがる!じゃあ最初から止めろ!
ね、それでも欲しいですか、絶対音感。
(絶対音感に関連した過去の文章はこちら。今読むとちょっと客観性に欠けるのだが。
まっでも絶対音感なんて基本的に主観の問題かあ)
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BGM:Speedometer
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