2008-02-17
§ *[sts122] STS-122 Atlantis Mission Timeline : Flight Day 11
少し間が空いてしまいました。STS-122は3回の船外活動を含むすべての作業を終え、明日ISSを離脱します。帰還日は、アメリカ東部標準時20日9時頃、日本時間は同日23時頃の予定。
いつもならば、フロリダのケネディ宇宙センターの天候が好転するまで可能な限り軌道上で待つ、という方針を取りますが、今回は少し状況が違うようです。先日、軍が制御不能になった偵察衛星を撃墜するというミッションを行うことを決定しました。これに伴い、今回のSTS-122では「できるだけはやくシャトルを地上に降ろす」という方針を取るようです。これは、破壊された衛星の破片がシャトルに衝突する危険性を避けるため。KSCの天候が悪ければ、回復を待たずにエドワーズ空軍基地に降ろす、ということになりそうです。ただ、今のところKSCの天気予報は良好とのこと。
さて、アンドッキングを明日に控え、今日は比較的のんびりした一日。ただ、ISSとSTSのハッチは今日閉じられる予定。それに先立って、お別れのセレモニーが行われる予定です。主なスケジュールは以下の通り(日本時間)。
17日15時05分 起床~
17日02時15分 フェアウェル・セレモニー~
18日02時30分 ハッチクローズ~
18日06時45分 就寝
§ **米軍の衛星破壊ミッション
各所で話題の衛星破壊についてですが、これは打ち上げ直後にトラブルを起こし、制御不能となった偵察衛星が地上に落ちてくる前に、軌道上で破壊しようというもの。今回目標となっている衛星は打ち上げ直後に制御不能になったために、姿勢を変更したり、軌道を変えるための燃料がほとんど使われずに残っています。この燃料には猛毒のヒドラシンが使われており、そのまま大気圏に落とすと、タンクが燃え尽きずに地表に達して落下地点を汚染してしまう可能性がある、とのこと。これを防ぐ為に、軌道上で衛星を破壊し、ヒドラシンを放出してしまおうという訳です。まあ、テストにもちょうどいいですしね。
衛星破壊というと、ついこの間中国が強行して軌道上に破片をばらまいて世界中から非難を浴びた事件を思い出しますが、今回の場合は、衛星の高度は250km程度です(中国のテストは高度約850km)。この高度だとかなり空気抵抗があるため破片はせいぜい長くて数週間で大気圏内に落ちてきます。こんなに低い高度を飛ぶ衛星は偵察衛星ぐらいのものですから、デブリの被害が起きる心配はほとんどありません。
国際宇宙ステーションの高度は約340kmですから、破壊された衛星の破片が衝突する心配はほとんどなさそうです。ごく一部の破片はISSの高度に達する可能性がありますが、ISSと軌道が交差する前に落ちてくるとのこと。ただ、STS-122が地上に戻ってくる際には、タイミングによっては軌道が交差する可能性があります。「できるだけはやくシャトルを地上に降ろす」という決定は、この危険性を回避し、「なるべく多くのチャンスを軍のミッションに与えるため」とのこと。