Garbage Collection


2008-01-21

§ *[clip] 紙飛行機:宇宙を目指す 300度でも燃えずに「帰還」−東大、マッハ7気流で実験(毎日新聞)

さて、各所で話題の宇宙から紙飛行機を飛ばす、という実験のお話(ずいぶん前にご紹介いただいていたのにすみません)。どうやら、予備実験、本実験とも成功裏に終わり、実際のフライトテストへのめどが立ったようです。~

ref. おりがみひこーきのHP(日本折り紙ヒコーキ協会)

この実験は、難燃性の紙で折ったスペースシャトル型の紙飛行機を船外活動中に宇宙飛行士に投げてもらう、というもの。

衛星軌道上から帰還する宇宙機は、秒速7km弱という速度から減速しなければならないため、機体の先端部分などで空気が圧縮され極めて高温になります(スペースシャトルで1600度ぐらい)。ただ機体が非常に軽ければ、わずかな空気抵抗でも容易に機体の速度が落ちるために温度はさほど高くならないはず。じゃあ、紙飛行機ならいけるんじゃね?というわけ。

日本折り紙ヒコーキ協会認定紙(まあ、普通の紙ですね)を、5%のホウ酸水に浸して難燃性を持たせた後、株式会社飾一の超越液(W1900D)をスプレーしてガラス質をコーティングしたもの。実験では音速の7倍の気流中で10秒以上持ちこたえたそうな。すげー。

でも、どうやって回収するんだろう?30cmならUSスペースコマンドのレーダーならかろうじて捉えられるかな、という感じ。大気圏突入しちゃったら追跡する方法はないんじゃないだろうか?「見つけたら教えてね」って書いとくしかなさそう。

ちなみに、この超越紙を作った株式会社飾一は、もともと水引を使ったお正月飾りが専門。この飾りに耐水性を持たせるためにガラスコーティングの技術を開発したんだそうな。お正月飾りから宇宙工学材料!こういうのはすごくワクワクするなあ。

§ *[clip] Breaking News | Moon Stuck(Spaceflight Now)

アメリカの惑星科学者や宇宙飛行士、元NASAの職員などが共同で、政府に「月に行くのを辞めて小惑星かラグランジェ点にしたら?」という提言をしている、というお話。

ブッシュ政権が打ち出したプランは、スケジュールとコストが現実的ではない上に、「一度行ったところへ戻る」というのはいまいち若者への受けが悪い。しかも、その先に火星を目指すとしたら月へ行くことはあまりプラスにはならない。なら、今のうち月行きをキャンセルして「有人小惑星探査」をやれば、若者には受けるし、火星へ行くための準備にもなる。火星へ行くということを考えるなら最終的なコストは、月開発を経由するより安くなるよ、ということみたい。

うーん、どっちもどっち、という感じがしないでもないけれど... ただ、月じゃなくて小惑星ということになると、「月へ行くぜ」計画ではつまはじきになっているJPLが主導権を握るということになるかも。

§ *[clip] Oscar Pistorius - Independent Scientific study concludes that cheetah prosthetics offer clear mechanical advantages(IAAF)

両足義足の選手がオリンピックの出場を拒否された、というお話。理由は「生身の足に比べてあまりに有利だから」。この選手がつけている義足は生身の足に比べて足首の強度が3倍、エネルギーの消費は1/4だそうな。とうとう、そういう時代になったのね。~

ref. 両足義足のトップランナー、オリンピック参加を認められず