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§ *[h2af13] Countdown for SELENE/H2AF13

今週木曜日、9月13日に種子島宇宙センターから日本の月探査機「かぐや」がH2A13号機で打ち上げられます。打ち上げ時間は午前10時35分47秒の予定。普段はH2Aの打ち上げが秒単位まで発表されることはほとんどないんですが、打ち上げウィンドウが狭い月探査ならではという感じでしょうか 。なにしろ衛星軌道とちがって"相手"がありますからね。~

ref. JAXA｜かぐや/H-IIA13号機　打上げ特設サイト(JAXA)~

§ ***かぐや

さて、「かぐや」は日本が打ち上げる月周回衛星としては「ひてん/はごろも」ミッションに続いて2機目(「はごろも」は搭載された小型衛星)。前回は工学実証が主なミッションでしたから、本格的な月探査はこれが初めてということになるでしょうか。

打ち上げ時の重量が3tにもなる大型の衛星で、非常に多くの観測機器を積み、月の組成や地形、地下構造、重力分布、磁気などの観測を行う予定です。また、衛星本体が月の裏側へ入ったときのデータを中継する2機の小型衛星を搭載していて、３機の位置関係の変化から月の重力分布の精密測定が行われます。

そうそう、ハイビジョンカメラも積んでいるので、きれいな映像も撮ってきてくれるはずです。~

ref. 月周回衛星「かぐや(SELENE)」 - TOP(JAXA)

§ ***H2A民間委託

もう一つ、この打ち上げで注目すべきなのは、今回からH2Aの打ち上げ作業が三菱重工に移管されたということ。これまで三菱重工はロケットの製造を担当していましたが、2007年度から打ち上げ作業を含むすべての作業が民間委託されます。つまりこれからは、JAXAは三菱重工に打ち上げを発注するお客さんという立場になります(もちろん技術的な協力関係にありますから、ただのお客さんじゃありませんけどね)。ただ、安全管理や打ち上げの可否に付いてはJAXAが判断を下すとのこと。これは国際法でロケットの打ち上げは国家が責任を負うことが定められているからです。

この民間委託によって、H2Aの製造から打ち上げまでの行程について三菱重工の判断で作業の効率化や機体の改良などが行える体制が整ったと言えるかもしれませんね。あとは国外のお客さんを引っ張って来れるだけの「魅力」をどう作っていくかという感じですが...それも、この打ち上げが成功しないことには何も始まりません。

日本の「衛星打ち上げ市場への参入」という点では是が非でも成功させたい打ち上げです(いや、他なら失敗していいという訳じゃありませんが...)。~

ref. H2A打ち上げサービス特設サイト - H2Aロケット13号機による「かぐや」打ち上げ(MHI)

§ というわけで、がんばれー！

§ **[h2af13] 「かぐや（SELENE）」の打上げ延期について / トピックス(ISAS/JAXA)

と書いているうちに、どうやら天候不順で一日延期された模様。新しい打ち上げ時間は9月14日 午前10時31分01秒です。