2007-02-28
§ *Daily Clipping
§ **STS-117、雹による外部燃料タンクへの損傷のため打ち上げ延期
3月15日に打ち上げ予定だった、スペースシャトルアトランティス(STS-117)は、26日午後に降った雹によって、外部燃料タンクの断熱材が損傷を受けたため、一旦機体を組立棟(VAB)に戻して修理作業を行う。これにより打ち上げは早くても4月下旬になるとのこと。~
ref.Space Shuttle(NASA)
ありゃま、結構傷がついてますね。
§ **日本の次世代超巨大望遠鏡計画(JELT)は、米国TNT計画へ参加する方向で検討中
現在、検討が進められている日本の30m級の次世代望遠鏡計画は、資金などの面で独自路線ではなく、アメリカのThirty Meter Telescope(TMT)に参加する方向で検討が進んでいる、とのこと。~
ref.欧米主導の次世代超大型望遠鏡日本独自の計画は(東京日報)~
ref.JELT / Next generation Extremely Large Telescope(NAO)~
ref.The Thirty Meter Telescope(TMT)
うーん、TMTに参加というとちょっと出遅れた感があるかな?
日本の30m級望遠鏡計画、JELTはずいぶん前から検討が進んでいて、候補地や設計案が出ていたり、京大がベンチャー企業と一緒に30m級の技術開発を念頭において4m級の望遠鏡を作ろうとしたりしている。当初から「資金的には国際共同プロジェクトが妥当」とされていたけれど、外に出てくる情報を追いかけている限りでは、積極的に提携先を探していたというより「もう少しめどが立ったら、計画に参加してくれる国や組織を探そう」という感じで、なんとなく結論を先延ばしにしていたような印象。
そうこうしているうちに、海外の有力プロジェクトはどんどん具体化を進めていて、ヨーロッパ南天文台(ESO)のE-ELT(European Extremely Large Telescope)はそろそろ詳細設計に入ろうかという段階だし、今回提携先として一番有力視されているTMTもコンセプトデザインをほぼ固めて、候補地もそろそろ決まりそうな感じ。
今から「僕らも参加しまーす」と表明してどこまで計画にコミットできるのか、ちょっと不安も残る。とはいえ、さらに決定をずるずる延ばせば、さらに日本のプレゼンスは下がって、要望が通りにくくなるし、割り当てられる観測時間が減ってしまう事になる。もう少し早く手を打っていればというのは簡単だけれど、一方で天文学関連のプロジェクトはALMAに予算が使われている関係から、次世代大型計画が表立って動けないのも事実。なかなか悩ましいところやね。
30m級を作るより、使いやすい10m級をいくつか作るほうが... というのは何度も書いたな。
個人的には、すばるで培ったノウハウを生かして6-10mぐらいの「すごく使いやすい大型望遠鏡」を世界のあちこちに3-4台作る、という選択肢も意外と悪くないと思うんだけど...
まあ、「すばると同じものをもう一つ作ります」といって予算が下りるかというと、それはそれでかなり難しいような気もするけどね。
いや〜…。こ、今度飲みましょう!
ぜひ!
国際宇宙ステーションもシャトル事故等で当初の計画より<br>大幅に縮小されてしまった。「自分達の手の届かないところ<br>で物事が決まってしまう」事に対する警戒感は身に着かな<br>かったのだろうか(出した金は少なくないのに)。「メイン<br>プレーヤーの一人」になれないのであればユーザーに徹する<br>べきでは。100メートルとか言っていたところは42メートル<br>になりそうだし。小柴先生がニュートリノ天文学を確立した<br>ように新しい何かが作れないかな。
確かに、TMTへの参加は「ISSに振り回された日本の宇宙開発」の不安が頭をよぎります。<br>あの経験から学ぶのなら、難しいのは参加より引き際かもしれませんね。<br>できれば、「プロジェクトが空中分解しても他に使える技術」を使ってコミットして欲しいんですが...
小平氏の『宇宙の果てまで』でわかる様な、海外での日本の独自建設は、いまだに厳しいのでしょうかね?<br>カミオカンデの小柴先生みたいな(色んな意味で)ヒキの強い方が居れば多少は変わるでしょうが…<br><br>今から余所の計画に参加でお金以外に日本が出せる物(や技術)はどれ位ありますかね?<br>NHKのCCDなんか要求されて、使用料で大もめなんて事にならなきゃ良いのですが…
海外での建設は、すばるの実績があるのでかなり敷居は下がっているんじゃないでしょうか。<br>問題は費用なんですよね。30mクラスの望遠鏡は1000億ドルを超えるコストが必要になるんですよ。<br>これをまかなうのは、ちょっと一カ国じゃ無理、ということようです。<br>まあ、たとえば加速器なんかは1000億えんを超える予算がつきますから、<br>まったく不可能というわけじゃないとは思いますが、<br>国立天文台の年間予算(120億円ぐらいかな)を考えると、かなり難しいでしょうね。
先日はレスありがとうございます。<br><br>>30mクラスの望遠鏡は1000億ドルを超えるコスト<br><br> 思うにそんなにお金がかかっては「失敗」できないだろう<br>し、それだと「思い切ったチャレンジ」もしづらいのではな<br>いだろうか。分割鏡もHETがあって、HETの教訓を生かして<br>Keckができたと聞いた事があります。<br> TMTの予定鏡面デザインを見ると「分割鏡」というよりも<br>「モザイク」のような感じがします。「扇型の分割鏡」も<br>「2周くらいが限度か(外になればなる程四角に近づくた<br>め?)」というのも見た事があります。TMTも1/10(3m)ぐら<br>いのプロトタイプ(分割鏡1個も1/10)を作ってみた方が良<br>いのでは。