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2006-09-01

§ **ESA Science & Technology: SMART-1 Lunar Impact(ESA)

ヨーロッパ宇宙機構の月探査機SMART-1が日本時間の9月3日14時43分()に月面に衝突します。月面に予想外の地形があった場合には、衝突はもう少し早く日本時間の午前9時36分になります。

SMART-1はヨーロッパ宇宙機構(ESA)が打ち上げた技術開発/実証を目的とする衛星(そう、「はやぶさ」と同じです)。最大の特徴は、推進力にイオンエンジンを使っていること(そう、「はやぶさ」と同じです)。他にも、地上からの支援なしで星図から自分の位置を割り出して軌道を修正するシステム(そう、「はやぶさ」と同じ...だったっけ?)とか、レーザー通信装置とか、マイクロ波通信装置とか、最新技術てんこ盛りです。もちろん、観測機器も沢山積んでいて、可視光、赤外線、X線の月面の観測が行われました。サイズは1m四方、重量は367kgとかなりコンパクト。2003年9月23日に打ち上げられ、イオンエンジンでゆっくりゆっくり高度を上げながら2004年11月に月の軌道に到着しました。

このSMART-1の最後のミッションになるのが、この月面への衝突。この衝突の様子を、世界中の望遠鏡で見物しよう!というわけです。いやもちろん科学的な研究です。舞い上がった塵を分光器で観測すれば、月を構成している物質の組成が分かります。塵の量で月がどれくらい堅いかも分かるでしょう。衝突軌道を子細に検討すれば、密度の分布がどうなっているかがかなり細かく分かるかもしれません。

実は、月への衝突は今回が初めてじゃありません。むしろこれは、月探査機の最後のミッションとしてはお約束ともいえるような実験です。意図して落とした奴だけでも両手じゃ足りないくらい。間違って落ちちゃった奴を合わせると、足の指を使っても足りないかもしれませんね。ソ連のルナシリーズ、アメリカのレインジャーシリーズ、ルナ・オービターシリーズ、アポロ計画でも宇宙飛行士を月の軌道上に帰した後、着陸船を月面に落として人工の地震を起こす実験をやってます。最近ではアメリカのルナ・プロスペクターが1999年7月31日に月の南極付近に衝突しています。そう忘れちゃいけません、日本の「ひてん」も最後のミッションは月面への衝突でした。近いだけあって、みんな容赦がないなあ。

今回は、世界中の大型望遠鏡、電波望遠鏡が観測に参加します。もちろん日本のすばる望遠鏡も観測体制の一部に組み込まれています(が、条件が悪くて観測はないみたい。コメント欄参照、dtomonoさんありがとうございます)。ESAのODENという宇宙望遠鏡も観測に参加するようです(JAXAの「あかり」や「すざく」も参加すればいいのに。それとも位置が悪いのかな?)。これは一連の衝突実験の中でも例を見ないほど大規模な観測体制です。何か面白いことがたくさん分かるかもしれませんね。楽しみ!

ちなみに、衝突の様子はアマチュアの望遠鏡でも観測が可能とのこと。ただ日本では、その時間は月はギリギリ水平線の下ですね。ちょっと残念。

日本からお別れがいいたい人は、その時間、月は南東の方角、水平線のすぐ下辺りです。

Best wishes for your last journey.~

Bye-bye SMART-1!

ref.スマート1 (SMART-1)(月探査情報ステーション)~

ref.Junkyard Review(2002.11.19)

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
> dtomono (2006-09-01 12:45)

実は、すばる本体での観測は無いんですよー。月の昼側の光に埋もれてSMART-1の飛ばすダストからの光は見えなさそう、というのが理由です。

> isana (2006-09-01 12:58)

ありゃ、そうだったんですか。悪くない位置だと思ったんですが...残念。