Garbage Collection


2005-07-29

§ [sts] Countdown for STS-114 post-launch events

ISSとのドッキングも終わり一安心というところです。さて、4日目のハイライトは、シャトルが運んできた多目的補給モジュール (JAXA)をISSに結合する作業ですね。食料、水、衣料、実験装置などが沢山詰まった「おみやげ」です。

あとは、明日の船外活動に備えてプレブリーズという作業が行われます。これはちょっと説明が必要かもしれません。


§ プレブリージング

宇宙服の中で船外作業員が呼吸するのは0.3気圧の純酸素です。これは、宇宙服内の気圧が高いと外気圧(ほぼゼロ)との差が大きすぎて宇宙服がパンパンに膨らんでしまい、身動きが取れなくなってしまうからです。ソ連のレオーノフが人類初の船外活動を行ったときにも、宇宙船から出たはいいけれど、宇宙服が膨らんでしまってハッチに入れなくなってしまい宇宙服から一部空気を抜いて事なきを得た、なんて事がありました。


ただ、スペースシャトルの船内は1気圧(酸素21%、窒素79%)なので、いきなり0.3気圧の酸素を吸うと、体内の窒素が気泡になって減圧症にかかってしまいます。そのため段階的に気圧を下げ、体を慣らしていくんです。EVAを行うクルーはまず、60分間純酸素を吸い、その後シャトルの船内を0.7気圧まで下げて12時間保持(この工程には他のクルーもお付き合いします)、EVA直前に40?75分間再び純酸素を吸います。もちろん、シャトルの船室が0.7気圧に下げられている間はISSとのハッチはいったん閉じられることになります。まあ、ほとんど寝ている間におこなわれるので作業に支障はありませんけどね。EVAが始まるとハッチは再び開放されます。