2005-06-23
§ 「世界で最も有名なコーヒーメーカー」のその後
どうやら、大昔の記事がかなり上位にヒットするようです。検索エンジンからの無言のリクエストにお答えして、ちょっと調べてみました。
The Trojan Room Coffee Pot Resources
このコーヒーメーカーはケンブリッジ大学コンピューター研究所のTrojan Roomに置かれていたもの。1991年、延々廊下を歩いていったにもかかわらずコーヒーがなくなっていることが頻発したため、業を煮やした研究所内のメンバーがカメラを研究所内ネットワークに接続しその状態を監視することのできる簡単なUNIXアプリケーション「xcoffee」を書きました。
やがて、1993年3月にはじめてWebページに画像を埋め込む機能を持ったNCSA Mosaic 0.10のベータ版がリリース。その8ヵ月後にこのカメラはウェブサーバと接続され、世界で初めてのWebCamとなり「世界一有名なコーヒーメーカー」になったのです。
しかし、2001年「僕たちは新しいエスプレッソマシンが欲しいんだ。だって水が漏るんだもの。」との理由から、このコーヒーメーカーはeBeyでオークションに掛けられました。結局、ドイツの週刊誌『シュピーゲル』が約58万円で競り落とし、2001年8月22日に惜しまれつつスイッチが切られました。
しかし、このコーヒーメーカーを製造したKrups社の好意で無償で修理された後、同年12月、シュピーゲルのサイトでオンラインに復活。実は、今でもシュピーゲルのサイトで見ることができます。
Coffee Cam Index Seite - Netzwelt - SPIEGEL ONLINE (SPIEGEL)
...といいたいところですが、このWebcamの映像はリアルタイムのものじゃなさそうです。なにしろ、いつ行っても同じ画像が表示されます。どこへやった?シュピーゲル。
(2006.09 追記)
いまや、画面にはコーヒーポットさえ写っておらず、使われていないPCが積み上げられた棚が写っているだけですね。えー、どこー!
参考)
Stalking the Cambridge Coffeepot
Abroadview Magazine2001年秋号、Nancy Eichornによる"潜入"レポート
XCoffeeの開発者の一人、Quentin Stafford-Fraserの公式サイト。同 Weblog
あとは、"Trojan Room Coffee Pot"とか"XCoffee"で検索すれば、e-Bay出品、スイッチオフに関する2001年当時の記事が山ほど出てきます。
お久しぶり。<br>いまさっきシュピーゲルのサイトを見たところ、ポットが映ってます。ただしカラ。現地時間8時過ぎだし、出版社の朝は遅いせいかも。
島田範正さん、ありがとうございます。<br>ほんとだ!でも、CAM1とCAM2で時間が違いますね。<br>片方が夜で片方が昼になっているみたいです。うーむ。
今日も見ましたが、全く変化なし。camと言ってますが、静止画ですね。失礼しました。