2005-06-15
以前、『距離が遠くても天体の見かけの大きさがそれほど変化しない理由』というエントリで、マツドサイエンティスト・研究日誌の『遠近法が通用しない!?』というエントリに対して、「普通の遠近法では?」というツッコミを入れましたが、どーしても腑に落ちないので再検討した結果、
遠くに行けば行くほど小さく見えるのは、50億光年位までで、それ以上遠くなっても、物は小さく見えなくなる
という現象がちゃんと起こりうることがわかりました。いい加減なエントリをして申し訳ありませんでした。
距離と見かけのサイズの関係を表すグラフ
http://www.lizard-tail.com/isana/lab/redshift/distance-size.gif
(紺色の線が実際の値、ピンク色の線は宇宙の膨張を考慮しない値)
っていうか、むしろ大きく見えてるし!
*
このグラフは、直径10万光年の天体(ちょうど我々の銀河系がこれくらいのサイズ)が、どれくらいのサイズに見えるかを距離に応じてプロットしたもの。青いラインが50億光年ぐらいの所から緩やかな上昇に転じている。これはつまり、50億光年から向こうでは遠ざかれば遠ざかるほどものが大きく見えるということを意味している。
で、なぜこんなことが起きるのか、というのは説明し始めるとものすごく長くなるんだけど、一言でいうと宇宙が膨張しているから。天体から出た光が地球に届くまでの間に宇宙が膨張して、その分だけ星の像が広がってしまうのだ。