2005-02-28
§ [clip] Daily Clipping
みんなでジャンプして地球の軌道を変えて地球温暖化を阻止しよう!うわはははは。でも、当たり前だけどその瞬間に地球の内側に位置する国々の人々しか参加できない。つまり、日本からの参加はだめ。ちっ!
でも、ジャンプしただけじゃ軌道は変わら...まあ、やめときましょうね。
Virgin Atlantic Global Flyer : Home Page
単独無着陸世界一周飛行を目指すグローバルフライヤーですが、離陸がカウントダウンに入っているようです。
天候は良好、20:00UTC?00:00UTC(日本時間1日5:00?9:00)には離陸できるかもしれないとのこと。わくわくわくわく。
Anti-wind farm report dismissed (BBC)
ドイツで発表された、風力発電は非効率であるというレポートに関するお話。記事の内容はイギリスでは無視されたというニュース(BBCだからね)。木になる報告書の内容は、「風力発電にコストをかけるくらいなら、既存の火力発電所にフィルターをつける方がずっと安上がりで効果が高い」という内容らしい。
うん、まあ、そうだろね。
なんてことを言うとすぐに目くじらを立てる人がいるので、説明をしておきましょう。風力発電というのは、実はとても効率が悪いんです。細かく言うと、風力タービンの発電能力というのは大雑把に言ってタービンの風上側の風力の3乗に比例します。つまり、風力が2倍になると発電能力は8倍に上がり、逆に風速が半分になれば発電力は1/8に下がります。要するに風の強さが少し変化するだけで、出力が大きく変化してしまうんですね。設計時に想定した最適な風力の範囲から、少し弱くなると十分な電力を生まなくなります。少し強くなるとブレードや発電施設に負荷がかかってしまうために止めなければなりません。風の力で定常的な電力を生み出すのは結構難しいんです。
もしかりに、温暖化ガスの排出を抑制するため「だけに」に風力発電機を設置するとしたら、火力発電所が生み出す電力を補うだけのタービンを設置しなきゃいけません。電力を安定供給するためには、おそらく膨大な数のタービンが必要になるはずです。建設費用や配電コスト、メンテナンスコストなんかを考えれば、火力発電所にフィルターをつける方が安いというのは、至極当然の結果でしょう。
でも、個人的な感想をいうなら、火力発電所のような一極集中型の発電システムと、風力発電のような分散型の発電システムを比べるのはそもそも無理があると思います。温暖化ガス抑制「だけに」とカッコつきで書きましたが、風力発電には、火力発電に比べて小規模での発電が可能で継続的な燃料の供給がいらない、太陽光発電に比べて太陽が出てなくても発電できるというメリットがありますから、これを生かせる場所ならかなり有効な発電方法になるはずです(例えば、離島とかね)。
近年の電力開発は、太陽光発電やコジェネなどの例を出すまでもなく小規模分散化に向かう方向で開発が進んでいるようです(これにも異論があるんですけどね、あまりに分散化しすぎると温暖化ガスなどの排出をコントロールするのが難しくなりますから)。適材適所というのはあまりに当たり前の結論ですが、まあ、そいういうことです。
ちなみに、私は風力タービン大好きです。だって美しいじゃないですか。
横で打ち上げの中継を見ていた連れが、遠いんだねえ、といってました。そう、静止軌道はとても遠いんです。