Garbage Collection


2004-06-28

こんなことやってる場合じゃないんだけどね

§ 「バーニャ」の謎

イタリアの名物料理「バーニャ・カウダ」は、オリーブオイルとニンニクとアンチョビの暖かいソース。イタリア語の「バーニャ」には「入浴・お風呂」の意味がある(バーニャ・カウダで暖かいお風呂の意)。

ロシア名物のサウナ(あの白樺の枝でばんばん叩くやつ)も「バーニャ」という。

南フランスには「パン・バーニャ」というサンドイッチがある。意味は「湿ったパン」。

ウズベキスタンやキルギスでも公衆浴場を「バーニャ」というらしい。

ブルガリアのソフィアには「バーニャ・バシ・モスク」がある。これは、オスマン帝国時代のモスクで敷地内に温泉が湧き出ており、トルコ語で風呂を意味する「バーニャ」が名前に入っているとのこと。

さて、「バーニャ」はどこから来たのか?

ここに上がっている断片的な情報から類推すると、やっぱりオスマン帝国辺りに端を発すると考えるのが順当かもしれない。とすれば、言葉そのものの起源はトルコ語にあるのかな。じゃあ、ヨーロッパでのお風呂文化の起源は?なんて考えるといろいろ面白いかもしれない。たぶんヨーロッパの風呂には、歴史とスタイルの違ういくつかの潮流があるんだろう。沐浴なんてのは古代からやっていただろうし、古代ギリシャに浴場があったのも確か、ヨーロッパには湯治の風習もあるし、サウナ(これは確かフィンランド起源、形式はバーニャに近い)なんてのもある。

「バーニャ」という言葉と「風呂」や「湿った」という意味が、歴史を追って、距離感を変えながらヨーロッパの南部であちこちに伝わり、変化していっているはず。国家の興亡や文化の伝播、歴史的なイベントとシンクロしていないはずがないから、もう少し突っ込んで調べれば、面白い文化史になるかもしれないなあ(っていうか誰かきっとやってそうだ)。ネットにも結構いろいろ情報があるんだけど、ちょっと断片的でまとまらない感じ。

えーと、気が向いたらまた調べます。