2004-03-16
§ [clip] Daily Clipping
Most Distant Object In Solar System Discovered (NASA)
さて、各所ですでに話題になっている「第10番目の惑星」。新しい惑星発見、という形で報じられているようですが、本当にそうなるかどうかはまだ分かりません(ならないんじゃないかなあ)。なにしろ、冥王星でさえ「惑星とするには小さすぎる、あれは小惑星だ」との意見が多く、つい先頃の国際会議で「慣例から一応惑星とする」と決まったくらいです。冥王星より小さく、近くても距離が地球-冥王星間の3倍という天体が「惑星」の認定を得られるかどうかはかなり疑問です。ちなみに、発見者のMichael E. Brown教授(Caltech)のサイトには、はっきり「惑星ではない」とかいてあります。同チームは2002年にもクワオワと呼ばれる天体を発見しており、この時も10番惑星がと騒がれていました。
でも、このセドナがとても興味深いのは、惑星かどうかという議論よりも、その軌道です。セドナの周期は2万年、長楕円軌道でこれからの72年が最接近期になります。太陽系の他の惑星系よりもかなり遠く、彗星の巣とよばれる小惑星帯「オールトの雲」よりはずっと近いという微妙な距離を周回しており、このような軌道を描く天体の観測は初めてです(遠日点はハレー彗星よりずっと遠くです)。これは太陽系の形成過程に「オールトの雲よりも近く惑星系よりも遠い」何らかの天体群があった(今もある?)ことを示唆するのかもしれません。太陽系の形成にまた1つ謎が増えたともいえますし、セドナを詳しく研究することで、太陽系形成の過程が詳しく分かってくるかもしれないんです。わくわくしますねえ、あー、しませんか?
※Science@NASAのページと発見者のページを混同してました。修正済み。