2003-10-06
§ 教室天井60センチ低くなると…生徒の9割「不快感」
学校の建築コスト削減のために、天井高を60cm下げて2.4mの教室を作って実験したところ、クラスの9割近くの生徒が不快感を訴えたというニュース。これは、文部科学省の委託を受けて日本建築学界が実験を行ったもの。
曲がりなりにも舞台美術をかじった人間から言わせてもらえば、これは当たり前、気分が悪くならないほうがおかしい。日本建築学界って所は、そんなことも実験しなくちゃ分からんのかね。それとも子供は背が小さいから天井低くてもオッケーじゃぁん!とか言ったバカがいたのか?
ごく普通の人でも、天井高が15cm違えば誰でも「違う感じ」がする。天井高3mというのはごく一般的な高さ、みんながこの高さに慣れているから、この規格から少し外してあげるだけで人はその空間に対して違和感を感じる。舞台美術屋はこれを利用して「圧迫感のある空間」なんてのを作ったりするわけです。
そういう意味で言えば、天井高を60cm下げるというのは犯罪だと思うぞ。だって、天井高240cmって言ったら、身長約180cmの人が手で触れられるぐらいの高さだよ。気分が悪くなるのも当然ですがな。誰か止めろよ。
百聞は一見にしかず。3mと、2.4mというのはこれぐらい違う(稚拙なCGで申し訳ない)。
これは、ほぼ5m X 5mの正方形の部屋、人型は身長165cm。教室はもっとサイズが大きいから天井の面積がもっと広くなる。天井の圧迫感は相当なものだろう。もっと言えば、これにさらに窓やロッカーや黒板があれば、もっと圧迫感は大きくなるはず(比較対照があるから)。こういう提案をする人間は、想像力が欠如しているとしか思えない。頭がつっかえなければいいとでも思っているのかね?