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(「国際宇宙ステーション『きぼう』が拓く有人宇宙活動」シンポジウム 議事メモ(2010/2/15版))
 
 
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2010年2月15日 (月) 11:36時点における最新版

「国際宇宙ステーション『きぼう』が拓く有人宇宙活動」シンポジウム 議事メモ

2010/2/14 13:30~17:10 @東京国際交流館(お台場)


13:30/開会挨拶

立川 敬二氏/JAXA 理事長

・ISSは6人常時滞在。米、加、欧、露、日の5地域の宇宙飛行士が同時に滞在するフェーズを迎えた。

・2010年にISSは完成する。今後、どう活用するかを考えていきたい。


13:34/来賓挨拶

森本 浩一氏/文部科学省 審議官

・月面を視野に入れた有人宇宙活動。

・将来の宇宙探査へとつなげていくべく努力。

・米国の予算→日本の宇宙活動にも影響。宇宙ステーションは最大限利用。

・あくなき探究心が原動力となる。


13:36/講演:「きぼう」で獲得した有人宇宙技術

白木 邦明氏/JAXA 理事


<きぼうをとりまく動向>

・「きぼう」は、国内宇宙関連企業300社の総力をあげて実現。

・ISSは2010/2時点で95%。2010年秋に完成予定。

・4対の太陽電池で、ほぼ100kWの発電能力。【筆者補足】一般家庭250世帯分くらい。

・2011年に古川宇宙飛行士、2012年に星出宇宙飛行士が長期滞在予定。

・HTVによる輸送は、平成21年度~27年度に1機/年ペース(全7機)予定。


<きぼう利用による目論見>

・有人宇宙活動技術、物資補給技術に関する知見を蓄積。

・アジアで唯一のISS計画参加国というポジション。

・世界をリードする科学的成果を取得。

・教育と文化にも注力。


<技術課題と成果>

・未獲得技術(有人活動)…生命維持、衛生、活動支援(宇宙服など)。

・未獲得技術(輸送)…有人ロケット/宇宙船、無人回収、他天体への輸送・離着陸。

・有人システムの安全性設計…火災、空気汚染、減圧が重要。

・有人システムの信頼性設計…人間が系に存在することで、「保全」概念が可能に。

・ISSの気密は、A2219(アルミ材)の溶接構造。

・デブリ防御…非貫通確率0.9752/デブリ径1cm以下。【筆者補足】2.5%は貫通を許容。

・強制対流(8~20cm/s)により空気循環。【筆者補足】気象風力の無風;煙は真直ぐ上る。

・騒音低減…日本(きぼう)が最も良好。唯一規格をクリアしたモジュール。

・船内実験の成果…実利用分野では高品質タンパク結晶の生成など。

・補給機…将来的には、軌道間輸送機などへの展開も視野。


<質疑>

・きぼうのロボットアームは日本独自の機構か?

  →カナダアームとは似ているが、日本独自の開発品。

・HTVを回収機とする際の課題は何か?

  →大気圏突入の際の耐摩擦熱、想定ポイントに戻す技術、および加速度軽減。

・セントリフュージは復活しないのか?

  →NASA要請で開発を始めたが、やはりコロンビア事故を受けたNASA決定で中止。

   将来の惑星・月有人探査等を考えると、有用な施設であると考えてはいる。


14:06/講演:「きぼう」開発企業の視点

福田 信彦氏/三菱重工業(名航) 主幹プロジェクト統括


<関わった人材>

・構想から20数年、世代交代を繰り返しながら開発を進めてきた。

・製造企業としての各種知見を有する人材の集結(JEMET;JEM Engineering Team)。

  宇宙空間:ロケット技術者

  機密構造:ロケットタンク構造設計者

  整備運用:航空機/プラント設計者

  閉鎖空間における有人運用:潜水艦技術者

  宇宙実験およびNASAとの交渉:シャトル実験装置設計者

  複雑システム:システム技術者

  【筆者補足】現在でも、これら陣容を1社で集結し得るのは三菱重工業だけ。

・JEMに関わった人材は、現在では「有人宇宙技術者」と呼べる段階に育った。

・これら有人宇宙技術者を、次期プログラムへどう活かすかが課題。


<有人技術とは?>

・ISSの設計基準は、NASAの有人宇宙経験に基づき制定。

・基本は、「搭乗員を宇宙環境(真空、デブリ、放射線)から守る」。

・搭乗員支援…移動で使用するシートトラックの適正配置など解析・試験を繰り返す。

  【筆者補足】特に曝露空間は、クルー移動経路が細かくマニュアル化されています。


<苦労話>

・きぼうは「何でもできる、多目的、多数ユーザ」→単一目的のロケットとの違いに戸惑い。

・表向き国際協同であっても、現実はNASAに振り回された日々。

・技術者の維持と育成…90年代、スケジュールは「1年たてば1年遅れる」という状況が続く。

  【筆者補足】当初1992年完成(コロンブスの米到達500周年)を想定した計画。

・一発物の開発→自動車(数万台~)>航空機>ロケット>JEM(1機);JEMは工芸品。


<今後の期待と提言>

・All Japanの開発体制を築きたい。

・ISS/JEMの継続利活用。

・有人システム開発を視野に入れた回収技術の確立。

・国際協調を踏まえた協力体制、国際ステータスの維持拡大。

・きぼう開発でのLessons&Learnedの展開。

・シンプルかつ透明感ある開発計画。

・開発フェーズから製造フェーズへの連続性。

・計画的なスピンオフ。


<質疑>

・セントリフュージをもう一回作って打ち上げてほしい(少年)。

  →(明確な回答なし)

・All japanの開発体制確立のために、巻き込みたい業界は?

  →特有の技術を有する企業にぜひ参加して欲しい。

・有人分野で次に何を目指すのか?

  →メーカーとしては、コンセンサスが得られた対象に対して、HW/SW実現に注力したい。


14:35/休憩

・日本の匠「きぼう」の歴史!(20余年の記録映像)を上映


14:50/講演:国際宇宙ステーション搭乗体験談

 ゲナディ・パダルカ宇宙飛行士(露)

 マイケル・バラット宇宙飛行士(米)

 若田 光一宇宙飛行士(日)

 ロマン・ロマネンコ宇宙飛行士(露)

 ロバート・サースク宇宙飛行士(加)

 フランク・デヴィネ宇宙飛行士(欧;ベルギー)

  【筆者補足】6名は、ISS第20次長期滞在時の構成メンバー


<スライドセッション(個人的に特に印象に残ったものを抜粋)>

・西アフリカのインパクトクレータ。

・若田さんの光のアート実験。

・MELFI(ESAの冷凍庫;きぼうに搭載)ではアイスクリームも保管。

・宇宙でうれしいことは、「新しいクルーを迎えること(パダルカ宇宙飛行士)」。


<ビデオセッション(個人的に特に印象に残ったものを抜粋)>

・潜水訓練…宇宙服の着用は大変。その宇宙服を6hr着っぱなしで訓練。

・エクササイズのための設備は、最近、ユニティからノード3へ移設された。

・日本の宇宙食は人気。

・地中海での雷を見下ろした映像。花火みたい。

・地上に帰還した際に最初に食べたのはリンゴ(7カ月ぶり;パダルカ宇宙飛行士)。


<質疑>

・健康・技術等の課題が全て解決されたとして、ISSにどのくらい滞在したいか?

  →若田宇宙飛行士:放射線の問題が大きく、実際は3~5年が限度。それがクリア

   できるなら、長くいたい。

・宇宙医療に興味がある。重力と人体の関係について伺いたい。

  →バラット宇宙飛行士:宇宙の微小重力には数週間で適応できる。人体は、宇宙

   にも地上にもうまく適応できるのでは、という印象を持っている。

・エイリアンの存在について伺いたい。

  →バラット宇宙飛行士:太陽系外惑星は既に300程度発見されている。研究が進めば

   何らかの生命が見つかるかも。ただし、知的生命かどうかはわからない。

  →デヴィネ宇宙飛行士:我々が唯一の生物だ、という人間中心主義的な観念は捨てる

   べき。過去の欧州にもそういう中心主義的な文化があった。

・宇宙で何に感動したか?

  →サースク宇宙飛行士:金色に輝くHTVのドッキング。宇宙プログラム上特筆すべき

   イベントであった。

・世界の子供たちに何を伝えたいか?

  →若田宇宙飛行士:ISSで仕事ができる、ということの喜びを伝えたい。大きな問題

   を地上を含めた皆の力で解決している科学技術分野におけるかつてない国際協力。

・宇宙飛行士の睡眠時間と宇宙で見る夢は?

  →ロマネンコ宇宙飛行士:6~6.5hr程度。宇宙に行って暫くすると夢を見だすが、

   地上のそれとは特に変わらない。自然が良くでてくる。

【筆者補足】このセッションでは、「セントリもう一回!」の少年は、質問受付を断られ

      ました。彼の「正体」は、パネルディスカッションで明らかに。


15:40/パネルディスカッション -有人宇宙活動の今後-

 司会:的川 泰宣氏(JAXA技術参与)

 パネリスト:立花 隆氏(ジャーナリスト) 

       淺田 正一郎氏(MHI宇宙機器部長)

       長谷川 義幸氏(JAXA執行役)

       若田 光一氏(JAXA宇宙飛行士)


<テーマ>

・宇宙先進国の仲間入りをしたこと

・有人宇宙活動の将来と夢


<冒頭>

的川氏:過去のJAXAイベントはサクラを用意することが多々あったが、今回は大盛況。

的川氏:90年の秋山さん初飛行以降を振り返り、ディスカッションを行っていきたい。


<日本の有人宇宙活動の現在のステータスは?>

若田氏:

・日本は宇宙実験の分野から参入。

・日本の技術力は高い。特に信頼性・品質管理→きぼうの「静かさ」。

・HII-B/HTVにて初号機運用を成功させたことは、日本の宇宙開発の信頼感を高めた。

・日本の有人技術は、一歩一歩着実に高度化しつつ進んでいる。


長谷川氏:

・1990年にプログラムに参加した当時は、国際的評価は非常に低かった。

・きぼうの打ち上げ成功あたりから、明らかに日本を見る目が変わってきた。

【筆者補足】宇宙基地管理会議(SSCB)での日本へのgo/no go権限付与を挙げてました。

・きぼうは不具合が少なく、可処分空間も広い優れた設備。

・これら実績を重ね、「日本に是非頼む」という流れへ→日本の地位が上がった。

・このため、最近はとても気分がいい。ただし、責任の重さも痛感している。


淺田氏:

・30年以上宇宙に関わってきた。

・HII-B/HTV#1を、スケジュール通りに運用・成功させたことは大きな自信に。

・宇宙技術では世界でもトップレベルだと自負。でも、宇宙を産業としてみるとダメ。

 産業として世界標準となることができるよう、国際協力も進めたい。

【筆者補足】携帯電話業界のような「ガラパゴス化」を懸念した発言のようです。


立花氏:

・日本にはカネがない。これで未来に希望があるか、という暗い印象を持っている。

・事業仕分けでHTVも1割縮減。科学技術分野ではJAXAもヤリ玉になったと認識。

・日本の有人宇宙往還機の自力開発は無理だと思う→国際協力に活路を見出すべき。

・現在は日本がアジアの代表格だが、すぐに中国がプレゼンスを示す時期が来る。

・世界の宇宙開発は軍事と不可分。日本だけが宇/軍分離を貫いてきたが、今後の

 予算動向からみると、純粋科学をふんだんに実施できるという希望はない。

【筆者補足】ここで、的川先生より「パネルはこうでないと面白くない」とチャチャ。


<日本は今後どうすべきか?>

長谷川氏/月懇談会の活動成果を受けて:

・重力天体への軟着陸技術は米ロのみ。日本もこの仲間入りをしたい。

・月のサイエンスについては、日本がトップレベルと自負している(かぐや)。

・第一弾として無人の月ローバー(~2020年)。第二段で有人化というステップ。

・有人化の課題は、月の昼夜温度差(14/14日で、+100℃/-100℃)と強烈な放射線。

・月懇談会では、有人の議論はまだ一度行ったきり。


若田氏:

・道は険しいと認識。でも、できることを着実にやっていくことが大事と考える。

・まずは第一歩として、宇宙からモノを無事帰還させる能力の確立を。

・オバマ大統領の「ISS運用延長(~'20年)、軌道往還は商用ベースで」という方針。

【筆者補足】Space-Xのドラゴンなど、軌道往還は既に一民間企業でのprojectとして

成立する時代が来ているという認識のようです。


淺田氏/日本にとって早急に獲得が必要な技術について:

・ヒトを宇宙に無事に送り届け、ヒトを無事に地上に帰還させること。

・ヒトを運ぶための基本技術は既にあり、それほど難しくはない。

・ただし、どんなに頑張っても高いリスク(打上失敗など)残る。その際でも「無事

 に」アボートするシステムが必要。

・このために、実績を重ねる場が欲しい。大気圏突入は、日本はまだ2回しかない。

・子供を増やすために子供手当が検討されているが、それだけではダメ→本質的に

 「子供を増やしたい」という具体的な目標が必要。宇宙開発はそれになり得る。


立花氏/日本の国家予算の中で宇宙予算の比重を高めていく方策について:

・政府関係委員として活動した印象から、日本の科学技術予算において宇宙のプライ

 オリティを高くしなくてもよい、という実感

・例えば、Spring-8などの方が大事。仕分けで2~3割カット→もはや実験も不能に。

 放射線のことが判る仕分け人がゼロだったという問題が背景に(宇宙はまだマシ)。

・大局的には「宇宙をもっともっと」という流れにはならないと思う。

・日本は「無責任主義→冗長が増える→コスト増」という連鎖文化。この環境では、

 無人でやっていくことの方が合理的。


長谷川氏:

・きぼうのモジュールは、開発コスト的には世界で最も低くできたものと認識。

・ISSには、ナショナル・プレゼンスの位置づけもあるという点に理解を求めたい。


<日本の活性化のためのカギ、特に若い世代の活力としての宇宙開発>

立花氏

・宇宙開発がその活力になるとはあまり思わない。


若田氏:

・日本は科学技術立国。ただし、航空宇宙自体は現状、日本の基幹産業ではない。

・ロケットの信頼性向上には、目標として有人を掲げるというアプローチが必要。

・有人機の実質信頼性は低い現実(シャトルも65回に1回失敗)→ロケットがダメ

 になっても、搭乗員を無事に保護・帰還する技術を。


淺田氏:

・高貴な人の義務(ノブレス・オブリージュ)としての役割を認識。

・日本は高度な科学技術力を持っている国として、他国を先導する使命がある。

 南アフリカの宇宙開発現場を訪問した際、その期待を強く感じた。


<世界人類のための国際宇宙ステーションと、そこでの日本のプレゼンス>

若田氏:

・ISSのカメラ、プリンタは日本が独占。

・あとはロボティックスの世界が有望と考える。


立花氏:

・学生衛星コンテスト審査員の経験から、軽薄短小を強みとして押し出すべきと

 いう印象。大物の世界は物量勝負でキツい。

・日本の戦中飛行機技術者が、戦後自動車に流れて世界に冠たる地位を築いた。

 今また、飛行機へ(トヨタ、ホンダ)という流れも見える。


淺田氏:

・オニール博士の宇宙ステーションとの出会いが、自身の宇宙に関わったきっかけ。

・「自分が」携るということが大切。他の誰かが、という態度では実現しない。本当

 に必要となった時にそれを入手できるようにするには、継続的なアプローチが必要。


的川氏:

・有人の必要性については、これからの世代がどう考えるかがカギ。

・日本の技術力自体は、相当高いと考えてよい。


<自分の夢>

若田氏:

・日本の技術先進国としての役割を痛感。アジア各国が日本へあこがれを感じている。

 →多くの国に貢献を。


長谷川氏:

・日本が得意なIT技術を核に、民生技術をどんどん宇宙に(コスト低減効果)。

・ノウハウは継続しないと途切れてしまう。ぜひ継続のため国民&マスコミの応援を。

・さもないと、アジアでは中国、インド、ウクライナ、イスラエルにも負ける危機感。


淺田氏:

・人工衛星50ヶ国、ロケット10ヶ国、大気圏再突入は4ヶ国(米・露・中・印)。

 日本も早く大気圏再突入技術を。

【筆者補足】大気圏再突入技術はICBMと不可分です。


立花氏:

・グランドデザインの復権を。宇宙のストーリーは100年単位で考えるべき課題。昨今

 の日本の議論はスケールが小さすぎる。これではカネは出ない。

・ツィオルコフスキーの究極的目標は太陽系再開発であった。ロシアではその思想を

 受け継いで活動している人々がきちんといる。

・核融合の人々の方が超長期的に見ている感が強い。宇宙も超長期を踏まえた計画を。


<質疑>

・有人宇宙で生命維持システムを確立すれば、他の分野への波及も期待できるのでは?

  →長谷川氏:地上(1G)技術と、宇宙(0G)技術は根本的に異なる点が多い。

   1G対応は、宇宙ではなく地上でやり倒した方が効果的。宇宙は、コンパクト

   パッケージングに大きなリソースを割かねばならない背景がある。

  →的川氏:有人宇宙活動経験を地上製品に活かす、というアプローチはあり得る。

   向井宇宙飛行士が積極的に活動している。


・宇宙エレベータによる輸送はどのように考えているか?

  →淺田氏:クラークの「3000年宇宙の旅」に記述が出てくるが、現実は西暦3000年

   にはムリ(もっと先)と考える。ただし、ロケットが宇宙輸送系で最適システム

   とは考えておらず、他の方法をずっと考えている。


・宇宙分野でのペルチェの応用は?

  →若田氏:スペースシャトルでは熱交換で実績。実用段階とは考えるが、ISSへの

   適用のような大型化はまだ途上。

【筆者補足】ペルチェ:電気を流すと、熱を移動させることができる素子(熱電素子)。


・宇宙で働く上で大事なことは?

  →若田氏:様々な人々と協力して仕事を行い、できたものを皆で分かち合うこと。

【筆者補足】「セントリもう一回!」の少年の2回目質問でした。どうやら別の場で、

      若田さんに「一緒に宇宙で働こう」といってもらったことがあるそうです。


・YAC(日本宇宙少年団)から、本当にどれだけの子供が宇宙に行けるようになるか?

  →若田氏:宇宙飛行経験者は現状まだ500人くらい。ヴァージン・ギャラクティック

   (VG)は30分の弾道飛行を2,000万円で提供。

  →淺田氏:VGも2年のサービス延期をしている。商業的には宇宙空間飛行はもう少し

   先という印象。日本は…。三菱重工業は石橋をたたく会社なので。

【筆者補足】現段階で、往還機を単独開発できる日本企業は、三菱重工業1社です。

  →的川氏:できるのを待って乗せてもらう、ではなく、「開発しろ」という態度表明

   を行うことが必要。


・日本はいつヒトを月に送ることができるのか?

  →的川氏:ここには答えられる人はいない。まだその計画がない。

  →質問者:JAXAはプレゼンが下手ですね。

【筆者補足】まぁ、当日の全体の流れから質問者の言い分も判るような気がしますが。

      的川先生まで一緒くたに「下手」扱いなのか…。


・ISSが2020年まで運用延長されたことについてどう思うか?

  →若田氏:歓迎すべきこと。

  →長谷川氏:きぼうは運用寿命が10年以上(2009年起点)なので、これでやっと

   寿命を使い切れる。なお、JAXAとしては2028年までの運用継続を提案している。

【筆者補足】2028年延長案、この場で長谷川さん(JAXA執行役)が明言するとは思って

      なかったので、ちょっとびっくりしました。

  →淺田氏:みなさんで、バシバシISSを使い倒してください。

  →立花氏:ソ連/ロシアのミールは、ボロボロのすごい状態になるまで使っていた。

   ISSも修理しながら使い倒してほしい。


(17:10 終了)



<その他、若干の裏話>

・今回の定員は500名でしたが満員御礼となったもよう。

 実は、サクラの招集(for 各関係企業)をかけていたそうなのですが、一般応募が予想

 を超えて多く、一部招待メンバーを除き、直前で企業筋参加者の来場を断ったのこと。

 パネルディスカッションでの的川先生のコメントは、結構マジ話だったわけですが、

 開催者としては非常に嬉しい誤算だったようです。


・開始前や休憩時間に上映されたビデオ『日本の匠「きぼう」の歴史!』は、実は2/14の

 朝まで編集作業をしていたそうです。結構力作でした。


以上です。