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"First Artificial Satellite"
Sputnik 1 - October 4, 1957
Discription
1957年10月4日にソ連によって打ち上げられた、人類初の人工衛星スプートニク1号は、電離層での電波の減衰を計測するために20.007MHzと40.002MHzのシグナルを発信していました。この録音は20.007MHzの信号を地上で捕らえたものです。
Copyright : USSR / Public Domain
実は、ロシアが人工衛星を打ち上げようとしていることは、当時秘密でも何でもありませんでした。アメリカとソ連の両国は、1957〜1958年の「国際地球観測年」に合わせて人工衛星を打ち上げるということを公式に宣言していたからです。1955年7月、アメリカは国際地球観測年に人類初の人工衛星を打ち上げると宣言しました。これに追従するように、ソ連も1956年9月に人工衛星を打ち上げることを宣言。「宇宙開発競争」は水面下で始まっていたんです。問題はどちらが先かということだけでした。
ただ、当時は両国の首脳部とも、人工衛星の打上げには精力的ではありませんでした。当時、アメリカの宇宙開発を率いていたのは、ウェルナー・フォン・ブラウン。ソ連の宇宙開発を率いていたセルゲイ・コロリョフです。この2人は、ほぼ同時期に、政府に対して「アメリカが/ソ連が、最初の人工衛星の打上げ国になるべきです」と主張し、一旦は両者共に却下されています。当時、最も重要視されていたのは戦略ミサイルの開発でした。当然ながら、両者は繰り返し政府に進言します。先に折れたのはソ連の政府でした。そうやってスプートニク計画は始まったんです。
アメリカの首脳部は、「ソ連の科学技術は、人工衛星を打ち上げられるまでに至っていない」と高をくくっていたんです。だからこそ、スプートニクの打上げにあれほど驚いたんでしょう。誰もが、「人類初の人工衛星はアメリカが打ち上げる」という宣言を信じ、ソ連の言葉は信じていていませんでした。「やつらにやれるわけがない」と。
1957年10月4日、スプートニク1号が軌道に乗り、正常に動作していることが確認された時点で、衛星が発信している周波数と共にその成功が全世界に公開されました。この事実は西側諸国、特にソ連を「仮想敵国」としていたアメリカにとって、大きな衝撃と共に受け入れられました。いわゆる「スプートニク・ショック」です。当時、科学技術において最先端を走っているはずだったアメリカが、その地位から転がり落ちた瞬間でした。
スプートニク1号は小さな発信機と温度計と電池を積んだだけのものでしたが、人工衛星の持っている軍事的可能性が未知数だった当事、「仮想敵国」の人工衛星が頭上を通ることは恐怖以外のなにものでもありませんでした。「アメリカの上空を通る時だけ、あの発信音がフルシチョフの笑い声に変わる」というまことしやかな噂が流れたのも無理はないのかもしれません。ただ、当時のソ連政府さえ、人工衛星の重要性に気づいていませんでした。フルシチョフ自身も、スプートニクの成功で西側諸国が大騒ぎしているのを見て初めて、その重要性に気づいたといいます。
この「事件」を皮切りに、米ソは東西冷戦の代理戦争たる「宇宙開発競争」に本格的に突入しました。そう、この衛星軌道から聞こえてきたかすかなシグナルこそが、やがて来る狂乱の時代の幕開けだったんです。
Comment
スプートニク1号から発信されていた電波は、個人所有のハム無線でも容易に捉えられる周波数と強度を持っていました。当時、世界中の人々が、この人工の星から聞こえてくる微かなシグナルに耳を傾けました。
スプートニク1号の打上げは、東西冷戦を背景にしたとても政治色の強いものでしたが、一方で、人々に来るべき宇宙時代の予感を感じさせるものでした。今でも、多くの宇宙飛行士やエンジニアたちが、この音を最初に聞いた時の体験を宇宙を目指すことになったきっかけの一つとして語ります。
想像してみて下さい。これが、初めて衛星軌道上から届けられた音です。
Transcript
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Title : First Artificial Satellite - Sputnik 1 - October 4, 1957
Publication date : 2005/11/10
Dulation : 00:00:10
File size : 25,749 bytes
Copyright : Union of Soviet Socialist Republics / Public Domain