■ warter ■
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そうはいっても、人の身体は水より重い。
静かに息を抜くと、かろうじて浮いていた身体が、
ゆっくりと水底へ沈んでいく。

息の苦しさを意識の外に押し出して、
身体の奥底にそっと耳を澄ませながら、
ゆっくりと落ちていく、
まるで眠りに落ちていくときのような、

不思議と恐怖は感じない。

水面の輝きがすこしづづ遠くなって、
まわりの青が徐々に深みをましはじめる。

このままどこまでも沈んでいけば、
いつかその見えない線を越えるだろう。

あと、もうすこしこのまま、どこまでも。



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