■ quit ■
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ぼくはまた、降りていこうとしている、
あの、曖昧で甘く、ゆるゆると錆びていくような時間に。
それは、ただ冬に夏を焦がれるように、
この手にないものを望んでいるだけなのかもしれない。
それでもいいのだと、そういえるだけの勇気が、
あの頃のぼくにはあった。あれは若さだろうか...
僕はもう一度あの時間のなかに降りていく。
寒空にわざと背筋を伸ばすように、僕は胸を張る。
強がることも強さなのだと、
あの頃の根拠のない勇気が、
まだここにあるのだと、
ぼくは、あえて信じたいと思う。
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