■ headphone days ■
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いつもヘッドフォンを持ち歩いていた。
あの頃は、世界がもっと繊細にできていると思っていた。
意味もなく、いつまでも街をふらついて、
そのことを確かめていた。

街のノイズと音楽が交じり合い、
現実感がほんの少しだけ希薄になる。

音を持って歩かなくなったのは、いつからだろう。
そういえば、あの頃ぼくはまだ猫になりたいと思っていた。

久しぶりにヘッドフォンをしながら、街を歩く。
頭の中に流れ込んでくるリズムに身をゆだねながら、
あの頃とは違う街を見ている。



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