『「人工卵子」による不妊治療へ研究進む』
http://www.cnn.co.jp/2001/TECH/07/04/creating.eggs.ap/index.html(CNN)
人工卵子というのは、ドナーから提供された卵子から核を取り除いて、代わりに患者の体細胞から核を取り出して染色体の片方を除去したもの(卵細胞の核は染色体を一組しか持っていない、体細胞は二組)を注入したもの。
ええええ、記事の中じゃ一言もいってないけど、これって体細胞クローンすれすれじゃないか? いいのか?
ドリーは、栄養を与えずに飢餓状態においた卵細胞に体細胞を移植して生まれた。違うといえば違うけれど、技術としては完全に延長線上にある。まあ、人間の体細胞クローンは技術的に見れば、ほとんど「あとはやってみるだけ」の世界だからねえ。某宗教団体(http://www.rael.org/int/japanese/)は「やるぜ」って言い切ってるし。たぶん、成功しているかどうかはともかく「やっちゃった」奴もいるんだろうなあ、きっと。
でも、よく考えれば体細胞クローンが出来たところで何がまずいんだろう。
とりあえず「神の被造物である我々が云々」みたいな倫理問題は置いておくとして、記憶も体験も共有していない私は私といえるのかな? それってただの「子供」じゃないか。
まあ、生まれたときにスペアをつくっておいて(それってただの双子やな)、臓器移植のパーツ取りに使うっていう手もあるけど(うわぉ、反倫理的)、コストがかかりすぎるねえ。免疫抑制の研究するほうが建設的な気がする。
ありがちなネタとしては、ヒトラーを二人作るなんてのもあるけど、今育ててヒトラーがもう一人できるわけないじゃん。そんなの誰でもいいから連れてきて洗脳するほうが早いよ、安上がりだし。
うーむ、メリットないなあ。牛や羊なら「おいしい牛をたくさん増やす」っていうのはあるけど(卵細胞クローンは半分別な牛のDNAが混ざる)。
まあ、冗談はさておき、科学技術の進歩は倫理や宗教では絶対に止められない。これは歴史が証明済み。だったらどううまく折り合いをつけるかを考えるべきなんじゃないか? そろそろ、生まれちゃったらどうするかを考えてもいい時期だと思う。
<余談>
ちなみに卵細胞クローンと体細胞クローンの違いも分からずに、クローン牛反対なんていってるのはただの無知なので相手にしなくていいです。
</余談>