※本文書は、厚生労働省発行の『ブタインフルエンザに関するQ&A』※リンク先PDF を独自にHTML化したものです。政府から公式配布されたものではありませんのでご注意ください (2009.04.27)
ブタインフルエンザは、A型インフルエンザによって起こる豚の呼吸器疾患です。豚においては、定期的に流行を引き起こしいます。ブタインフルエンザウイルスは、年間を通じて、豚への感染を引き起こしていますが、通常、ヒトには感染しません。しかし、米国では散発的にはブタインフルエンザのヒトへの感染が確認されています。ほとんどのヒトへの感染は、豚への濃厚接触が原因となっています。米国疾病管理センター(CDC)は、米国において1、2年に1例の発生があると報告しています。ただし、2005 年12 月から2009 年2 月にかけては、12 件のヒト感染事例が報告されています。
これまで日本で確認されたことはありません。
パンデミックを引き起こすインフルエンザとは、効率的にヒトからヒトへ感染する新しい抗原性を有するウイルスによるものです。現在、メキシコで流行している感染症については、ブタインフルエンザが原因のひとつとは考えられますが、ウイルスの特性についての詳細な調査を行っているところであり、現時点ではパンデミックがはじまったとは判断されていません。
これまで何種類ものブタインフルエンザウイルスが出現したと考えられていますが、現時点では、4種類の亜型が豚から分離されています。すなわち、H1N1、H1N2、H3N2、H3N1 です。ただし、最近では、豚から分離されたウイルスの亜型のほとんどはH1N1 です。
通常のヒトインフルエンザ(H1N1)はA ソ連型と呼ばれ、流行を繰り返していますが、ブタインフルエンザ(H1N1)とは株が異なります。
ブタインフルエンザは、豚肉や豚肉の加工品を食べることによって経口感染するものではありません。
インフルエンザは食品を介しては感染しないので大丈夫です。
発熱や呼吸器症状のいずれかが出現しないかを確認してください。もし、こうした症状を認めた場合は、すぐに医療機関を受診せず、事前に、最寄りの保健所にご相談していただき、必要に応じて、感染症指定医療機関などに受診されることをご検討ください。また、咳やくしゃみをする際はティッシュで鼻と口を覆う、などの咳エチケットを徹底してください。
なお、受診にあたっては、
1)事前に医療機関に電話をかけ、受診方法の指導を受けて従う
2)なるべく公共交通機関を利用せず、自家用車等で移動する
3)マスクがある場合には着用してから受診する
ようにしてください。
現在、症状がない方についても、帰国後10日以内に疑わしい症状が出現した場合には、同様にして最寄りの保健所にご相談してい ただき、必要に応じて、感染症指定医療機関などに受診されることをご検討ください。
現在、法令上の強制力をもって、個人の渡航や旅行会社による主催旅行を禁止したり、退避を命令するものでもありませんが、外務省は感染症スポット情報を発表し、メキシコ、米国(メキシコとの国境周辺のカリフォルニア州・テキサス州)で確認されたブタインフルエンザ(A/H1N1)について、渡航者らに注意を促がしています。
海外では「自分の身は自分で守る」との心構えをもって、渡航・滞在の目的に合わせた情報収集や安全対策に努めてください。 今後、さらに情報を収集し、随時更新されますので、出発までの間は、逐次、国からの発表を確認してください。
発熱、倦怠感、食欲不振、咳など、通常のインフルエンザ症状を認めます。また、鼻水、咽頭痛、吐気、嘔吐や下痢などの症状を訴える患者もいます。
これまで確認されていたヒト感染事例のほとんどは、感染した豚への直接接触によるものでした。現在、ヒトからヒトへの感染が発生しているとすれば、通常のインフルエンザと同様に、咳やくしゃみによる飛沫感染、もしくは直接接触することによる感染と考えられます。
ブタインフルエンザ(H1N1)のヒトへの感染は、国内では確認されていません。米国やメキシコへの渡航時には、
1)咳やくしゃみ等による感染を防ぐため、マスクを着用する
2)積極的に手洗いやうがいを行う
3)発熱や咳などインフルエンザ様の症状がみられた時は、現地の医療機関を受診する
ことを心がけてください。
また、現地でインフルエンザ様の症状があったか、帰国時に症状がみられる方は、検疫所に申し出てください。
N95マスクの使い方には専門的知識とフィットテストなどの事前準備が必要ですから、一般の方には不適切な防護具とされています。一般的にはサージカルマスクを着用し、手洗いやうがいを励行するようにしてください。
症状がない場合には検査の必要はありません。また、渡航歴や接触歴がある方で、ブタインフルエンザの感染が強く疑われる場合においても、発症前に診断できる検査はありません。帰国後10 日以内に、症状を認めた場合には保健所に相談してください。
現在、メキシコにおけるインフルエンザの発生動向を確認しているところです。収集した情報を解析し、随時更新してゆく予定です。現時点では、帰国すべき状況とは判断できませんが、信頼できる情報に基づいて行動してください。また、外出する際にはマスクを着用し、帰宅後は手洗いとうがいを励行してください。
今後、メキシコから帰国した方については、症状の無い方に対しても、本人の同意の下で、一定期間健康状態を確認するなどの対応をすることにしております。帰国後10 日以内に、症状を認めた場合には保健所に相談してください。
インフルエンザウイルスは、通常の環境中で長期間生存しません。このためメキシコからの輸入品を介した感染は考えにくく、インフルエンザ予防を目的とした消毒は不要です。